柔道・阿部兄妹のメディアラッシュに批判の声もあるが…五輪メダリスト「オフ稼業」の厳しい現実
パリ五輪から2カ月あまりが過ぎたが、テレビでは今でもメダルを首からぶら下げたアスリートたちがひな壇でトークをしたりクイズ番組に出演したりと大忙し。中でも目立つのが、柔道の阿部一二三(27)、詩(24)の兄妹だ。 【 顔 を 見 る 】観客席で涙に暮れる阿部詩を抱擁しながら慰めていた「謎の男性」の正体 3年前の東京五輪で兄妹同日金メダル獲得の偉業。連覇が期待されたパリ五輪で、詩は2回戦敗退したものの、同じ日に一二三が金メダルを獲得し、妹の雪辱を晴らす形となった。そんなドラマがあったこともあり、今でもメディアに引っ張りだこ。兄妹揃ってファッションブランドのイベントに登場したり、詩がお笑いタレント・イモトアヤコのトレードマークである太眉毛メイクをしたり、アイドルグループ「嵐」の二宮和也とBBQをしたりと、多忙を極めているのだ。 こういったアスリートのバラエティー出演を見ると、「遊んでいないで練習しろ」と言う視聴者は少なくない。しかし、メダリストにとって今こそ稼ぎ時。4年に1度の大舞台で勝ち取ったメダルを武器に、スポンサーを獲得し、テレビや雑誌に出て競技や自身の知名度を上げる機会は、五輪が終わった数カ月しかできないからだ。 「アマチュアスポーツのほとんどが4年に1度しか世間から注目されない。五輪の余韻が残っている年内が売り手市場。このタイミングで稼いでおかないと『賞味期限』が切れてしまう。今は特に、スポーツ界はメジャーリーグの大谷翔平選手一色。他のスポーツは見向きもされないのが現実です。せめてメディアを通じて注目してもらわなければ、引退後のキャリアや競技の発展に繋がらないと焦る気持ちもあるでしょう」(スポーツライター) 柔道はまだメジャーな方だ。日本国内ではルールすら知られていない競技もある。国からの援助が少なく、運営に苦戦する団体も少なくない。強化ランクが「S」のフェンシングですら、協会からの補助金が底を尽き、クイズ番組に応募して遠征費を稼ぐ選手もいた。 アスリートのオフ稼業も楽ではない。 ◇ ◇ ◇ 阿部詩は2回戦で散ったように、パリ五輪で日本柔道の大苦戦を招いた「元凶」とは何か。取材を進めると、「全日本柔道連盟の戦略ミス」との声も聞かれた。いったい柔道界で何が起きていたのか。阿部詩の大号泣はなぜ起きたのか。 ●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。