中国、製造業景況感が6カ月ぶりに節目上回る 10月はは50・1 景気対策を反映
【北京=三塚聖平】中国国家統計局は31日、景況感を示す製造業購買担当者指数(PMI)が10月は50・1だったと発表した。9月から0・3ポイント上昇し、好不況を判断する節目である「50」を6カ月ぶりに上回った。 中国共産党・政府は9月下旬以降、大規模な金融緩和のほか、不動産市場の支援策を打ち出すなど景気対策を重視する姿勢に転じている。製造業の景況感改善はこうした動きを反映しているとみられるが、内需改善を伴う本格的な景気回復につながるか注視される。 PMIは50を上回れば経済活動の拡大を、下回れば縮小を意味する。柱となる生産の指数は52・0で、9月から0・8ポイント上昇して2カ月連続で節目を上回った。自動車などの業種が好調だった。 新規受注は50・0で、9月から0・1ポイント上昇した。一方で、輸出向けの新規受注は47・3で6カ月連続で節目を下回った。 統計局が同時に発表した10月の非製造業の景況感を示す指数は50・2で、9月から0・2ポイント上昇した。不況が長期化している不動産業界は不調が続く。 統計局は、中国政府による一連の景気対策により「景気水準は回復を続けている」と分析している。 中国政府は追加の景気対策として、特別国債の追加発行に踏み切る見通し。11月4~8日に開かれる全国人民代表大会(全人代)常務委員会の会議で審議して発行規模を明らかにすると市場関係者はみている。