神戸・北野で愛された「小学校」が25年に幕、惜しむ声相次ぐ「残念だなぁ…」
廃校になった「旧北野小学校」を利用した体験観光施設「北野工房のまち」(神戸市中央区)が、2023年12月28日に閉館する。神戸らしい体験ができる施設として、訪れたことがあるファミリーも多いのではないだろうか。SNSには「寂しい」「残念だなぁ・・・」「悲しい」などのコメントとともに、訪問時の思い出を綴る人が続出している。 【写真】閉館まであと2日…椅子や机は当時のまま 同館は、1996年に廃校になった小学校の校舎を利用する形で1998年にオープンした。12月には来館者2000万人を突破。神戸グルメを楽しんだり、お土産の購入、教室を利用した部屋で地場産業のレザークラフトや豚まん作りなどが体験でき、使い込まれた味のある階段や小学校時代の子どもたちの作品が残されたレトロな雰囲気も人気だった。 異人館エリアへのアクセスもよく、旧校庭を利用した大型の駐車場があることから、神戸近郊のファミリーの車や国内旅行の観光バスが停まり、観光の拠点としても機能。取材に訪れた日に話を聞いた群馬から旅行に訪れたというファミリーは、「有馬温泉のあとに時間があったので、駐車場もあるし来ました。お土産を買って、どれか体験をして帰ります」と話し、気軽に立ち寄れる観光施設として重宝されている様子もうかがえた。 また、同館は近隣住民との関係構築にも力を注ぎ、子どもたちが通える英会話やそろばん、書道などの文化教室「北野エトワール」も作られている。 今後は、神戸市の公募で決まった新しい事業者「ジーライオン」が、2024年2月より改装工事を経て新施設をオープンする。地域住民などが要望書及び2222件の署名を提出し、「北野エトワール」や3階講堂を含めた校舎は残される模様。 神戸市によると、神戸スイーツショップや神戸牛等のステーキレストラン、地場産ショップ等の運営がおこなわれる予定(詳細やオープン時期は未定)。「北野工房のまち」は、閉館日の12月28日まで無休。 取材・文・写真/太田浩子