「景観や施設より人が大切」旧軍港4市シンポジウム、京都・舞鶴市で開催
京都府舞鶴市余部下の海軍記念館でこのほど、「旧軍港4市 鎮守府日本遺産シンポジウムin舞鶴」が開かれた。旧海軍の軍港が置かれた4都市の文化・観光関係者や研究者が集い、各地の活動を共有した。 まとめて一つの日本遺産として認定されている舞鶴、横須賀、呉、佐世保でつくる旧軍港市日本遺産活用推進協議会が主催。約50人が参加した。 文化庁の日本遺産認定審査員を務める丁野朗氏は基調講演で「人を引きつける物語がなければ地域は選ばれない」と強調。物語を伝える上で、景観や施設よりもガイドなどの「人」が大切と語った。 各市ガイドのパネル討論もあった。前提知識がない外国人や子どもへの解説が難しいことや、海自・米軍基地内で見学できない遺産が多いことなど共通課題が明らかとなった。 ガイドらは「問いかけを通じてお客さんに考えてもらう」「世代に合わせて映画などの話題を加える」と意見を交換。丁野氏は「現在見られないものや全体の物語を、映像などを通じて伝えるデジタルミュージアムが必要では」と提案した。 舞鶴や佐世保の高専教員らによるデジタル技術を用いた遺跡調査の研究発表もあった。