月・金曜限定で早朝開店の古書店、館山駅前にオープン(千葉県)
館山市のJR館山駅東口の交流施設「sPARK tateyama」の軒下で、毎週月曜日と金曜日の午前6時~11時だけ開店する古書店「思惟丈(しいたけ)」を始めた。店主の吉良康矢さん(46)は、「一週間の始まりと終わりに、本を通して、広い世界に思いをはせる時間を過ごしてもらえたら」と話す。 吉良さんは館山市在住のアーティストで、大の本好き。美術、文芸、人類学、歴史、紀行文などの人文科学ジャンルを中心に、多くの本を集めてきた。 9月から、本と人が出合う場、本を通して人と人が出会う場にしようと、「古本×アート」をコンセプトに、この路上書店を始めた。本と一緒に、自身のイラスト集などの作品も展示販売している。手作りの箱看板が、店の目印だ。 道行く人の目に留まるように、本は基本的に表紙を見せて、本棚に陳列する「面陳」で展示販売。面陳する本のリストは毎回変える。事前に吉良さんのインスタグラムやフェイスブックで告知している。 開店時間を早朝から午前中に設定している理由は、通勤、通学する人が、朝に立ち寄れる場所にしたいからだ。「早起きは三文の徳。一本早い便で来て、学校や職場へ着くまでの朝の1時間、好きな本を探したり、交流したりしてほしい」と話す。 店名の「思惟丈」には、「さまざまな作者が思いの丈をしたためた本から見聞を広める本まで、ジャンルを問わず幅広く本を取りそろえたい」という思いを込めている。 ただ、吉良さんの蔵書のみだと、ジャンルが人文科学の本に偏りがち。そこで、譲ってもらえる本を募っている。雑誌や漫画など、写真や絵などビジュアル的に楽しませるものや、娯楽やエンタメなど読みやすい本は特に歓迎するという。 月、金の朝8時からは、sPARK tateyamaの関係者とラジオ体操をしており、参加を歓迎している。 日曜日の午前8時半~正午は、城山公園で店を開く。こちらは雨天の場合は中止か、sPARK tateyamaへ場所を変更する場合もある。 (前木深音)