天然の岩場で感性培い「他人とは違う目線・動きで」…スポーツクライミング・通谷律選手、国スポに挑む
国民スポーツ大会(国スポ)が10月5日、佐賀県で開幕(一部競技は会期前に実施)する。国民体育大会(国体)として親しまれてきた大会は今年、名称を変更した。1976年の若楠国体以来、48年ぶりに佐賀県で開催されるスポーツの祭典「SAGA2024国スポ」で活躍が期待される選手を紹介する。 【写真】成長著しい総体女王「硬くならず自分の投げを」
スポーツクライミング少年男子 通谷律選手 18(佐賀)
8月に中国で行われたクライミングユース世界選手権U―20男子ボルダーで優勝し、世代別での同種目を制した2022、23年に続く3連覇を達成した。佐賀県伊万里市出身の佐賀・多久高3年生は、能力を存分に発揮してきた。
制限時間内に決められた複数の壁(課題)をいくつ登れたかで競う「ボルダー」の実力は、すでにトップレベル。地元で開催される国スポでは、一つの壁を1回でどこまで高く登れるかで争う「リード」と合わせ、「両種目とも1位を取ることが目標」と言い切る。
身長1メートル65と小柄ながら、独自の動きで難題をクリアする優れた感性は天然の岩場で培われた。小学1年生の頃から父・明徳さん(44)に連れられて宮崎県など各地の山へ足を運んでいるという。けがの危険性などから岩場に通うトップ選手はまれだが、決められたルートが存在しない自然の岩に果敢に挑むことで力を付けてきた。
「他人とは違う目線、違う動きで登っている。それを見て、『クライミングっておもしろい』と思ってもらいたい」。自身のスタイルで頂点を目指す。