お慕いしております!彰子さまの直球の告白 「光る君へ」ファンも涙 「紫の上」と重ねた自分の身の上
中関白家も「今年こそ道長に勝つ!」
水野:第35回「中宮の涙」の放送があった9月15日は、ちょうど「関ケ原の戦い」の日で、たらればさんは思うところがあったそうですね。 たらればさん:毎年この日は、数日前から、Xの「石田三成」アカウントが「今年こそ西軍が勝つ!」って発信しているんです。 いつもは「あー、毎年恒例だなぁ」くらいの気持ちで見ていたんですが、今年は我が身を振り返って「この姿勢は見習わらなきゃいけないな」と思いました。 水野:見習う!?(笑) たらればさん:昨年の大河ドラマは戦国時代が舞台の『どうする家康』でしたよね。とても面白かったです。 家康関連の書籍もたくさん発売されて、関ヶ原の戦いにも注目が集まって、石田三成(中村七之助さん)もドラマに登場して、きっちり西軍が負けました。 その時(去年の9月15日)もXで石田三成のなりきりアカウントは(X上で)関ヶ原の戦いを実況して、惜しくも(惜しくも?)敗戦、「くそ…、また負けてしまった…しかし来年こそは!」とつぶやいていたんです。 そして今年の大河ドラマは「光る君へ」ですよ。今年も(今年も?)道隆(井浦新さん)は早逝し、伊周と隆家は失脚して定子さまは出家し、中関白家は道長一派との権力闘争に負けつつあります。 しかしこの時代のファンとしては、今年一般視聴者の皆さまのあいだに生じた平安時代への熱さを、できるだけ持ち越したい。一人でも多くの人に、来年もその後も、関心を持ち続けてほしいんです。 そのためには、政治的敗者である中関白家ファンのわれわれも、来年以降「今年こそ道長に勝つ!」と言っていくべきではないか、と思うわけです。 水野:なるほどそういうことですね(笑)。 たらればさん:ちなみに関ケ原の戦いにおいて石田三成さんは今年「425回目の敗戦」だそうで、そのていでいくと中関白家は(定子さま没の長保二年十二月十六日<西暦1001年1月13日>から数えて)今年で「1024回目の政治的敗戦」となります。しんどい。一回くらい勝ちたい。 水野:(笑)。「関ケ原の戦い」のように、歴史の授業で習った分かりやすい日があると、一緒にわいわい盛り上がれますもんね。 たらればさん:そうなると古典ファンにとっては、11月1日の「古典の日」があたるでしょうか。 寛弘五年(西暦1008年)十一月一日、酔っ払った藤原公任が紫式部に対して「ここらへんに若紫はいませんか」(「このわたりに若紫やさぶらふ」)と呼びかける――。 これが記録に残る初めての「紫式部」で、これにちなんで「古典の日」が制定されたんです。 水野:今回の予告で、公任演じる町田啓太さんが「若紫はいませんか」と言っていましたね……!!! たらればさん:次回以降も盛りだくさんですが、どのように描かれるのかが楽しみですね。 ◆ たらればさんが、朝日カルチャーセンターの講座『「枕草子」の煌めく世界―紫式部を鏡として』に登壇します。 『新訂 枕草子』の著者・河添房江さん、津島知明さんに、清少納言や「枕草子」のあれこれを聞いて深掘りします。 日時:10月26日(土)13時~ 申し込みはこちら(https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7394695)から。