「アゴクイ」、「肩ずん」、「俺コス」……進化する“壁ドン”マンガ
次にブレイクするのは?
次にブレイクしそうな“壁ドン”ネタはないか、「このマンガがすごい!」の編集部員に調査してもらったので、ちょっとおかしなものも含め列記してみよう。 ・「肩ズン」 いつも強気な男子が、女の子の肩に頭を乗せ、ふと弱音をもらす。男子のギャップにキュンとする仕掛けだ。 ・「なろ抱き」 『あすなろ白書』(柴門ふみ)の名シーンが由来とも。女の子を後ろから抱きしめ、そっと頭に顔を寄せる。「えっ?」っていうびっくりからのドキドキがポイントだ。 ・「NHK」 「二の腕(N)を引っ張って(H)突然キス(K)」の略。この略語を考えた人は天才です。 ・「ねじポケ」 彼女の手を握って自分のポケットの中へとインする。自動的に手もつなげます。手をつないでるのは、二人だけの秘密。 ・「髪クシャ」「頭ポン」 ふいに髪の毛をくしゃくしゃとなでられる。突然、頭や髪に触られる不意打ちにドキドキします。『きょうは会社休みます』(藤村 真理)では、年下の彼にこれをしてもらって、ちょっと甘えた感じに! ・「俺コス」 薄着をしている女の子を気遣って、「これ着ろよ」と自らの上着を脱いで女の子にかけてあげる。彼のにおいや体温に包まれているような気持ちになるのが、ポイント。『ストロボエッジ』の映画で、濡れて着られなくなった服の変わりに着せてもらっているシーンが、印象的でした。服が大きくて、彼の服が腕まくり状態になる「袖クル」なんて派生も。 ・「耳つぶ」 男子が女の子の耳元で甘い言葉をささやく。か、顔近いです。 ・「足キス」 男性が女性の足にキスをする、『娚の一生』(西炯子)の映画化に際し、話題になったとも。今も昔もお姫様扱いはドキドキ。 正直に言うと、従来からある恋愛モノの王道シチュエーション、いわゆる「萌え展開」に名前をつけただけのようにも思えなくもない。でも、こういうのは、真顔で聞き返した奴が負け。おもしろければいいじゃない! と、僕は思っている。 ちなみに、あるイケメン雑誌の編集者に聞いたところによれば、壁にドン!と手をついたあと、さらにひじをまげて、「ひじドン」状態になる(顔が女の子にさらに近づく)のが、“壁ドン”シーンを撮影する際のトレンドなのだそう。 なんだか進化してますね。もしかすると、このなかに今年の流行語、あったりして。 ---------------------- 薗部真一(そのべしんいち) 「このマンガがすごい!」「このマンガがすごい!WEB」(宝島社)編集長。1978年生まれ。「このマンガがすごい!WEB」では、「毎月のランキング」、東村アキコ先生ほか「人気漫画家インタビュー」、「『壁ドン!』マンガ ランキング」など、マンガ関連記事を毎日更新中。