BE:FIRST、デビュー2年4カ月で有言実行したドーム公演「次は世界だぞ‼」
死ぬまで7人で音楽を続けていきます
後半戦はバンドセットだ。ヘビーなバンドアンサンブルが轟き、「BF is...」へ。MANATOの美しくも勇猛なボーカルが、再び狼煙を上げる。熱気が充満する中、SHUNTOが「これなしじゃ終われねえだろー!!!! 」と体を前に倒しながら叫び、「Brave Generation」。MANATOは背中を向け、自らが着用したライダースジャケットのバックに刻まれた「SINGING FROM THE EAST SIDE TO THE WEST SIDE」というメッセージをアピール。RYOKIは〈不安定を謳歌して シナリオ踏み付けろ〉と歌ってカメラを指差し、「この先が見たいんだろー!!」と絶叫。7人の熱が混じり合うことで無限に熱が高まっていくようなケミストリーが生まれていた。 MANATOが英語で曲紹介をし、「ONE PIECE CARD GAME×BE:FIRST COLLABORATION SONG」として書き下ろされた「Set Sail」を初披露。SHUNTOの〈Pull the triger〉もばっちり決まり、7人とオーディエンスでヘッドバンギング。早速、即効性の高さを見せつけた。不穏なベース音が聴こえ、「Betrayal Game」へ。色気も迫力も野性味も切迫感も……観る度に全方位が進化している「Betrayal Game」だが、ドームでも最新形を見せつけた。RYOKIの声をからさんばかりのシャウトと共に「Scream」へ。JUNONはライダースをはだけさせ、ほぼタンクトップ姿ですごんでみせる。RYOKIの高らかな笑い声、圧巻のダンスブレイク、SHUNTOのデスボイス──熱狂の中、7人がアリーナ中央のセンターステージから花道を歩いてメインステージに戻る途中、SOTAとRYOKIが激しくアジテートすると5万人が腕を突き上げ、冷静にさせることをはばむSHUNTOの絶唱が響いた。 スクリーンには2年4か月にわたるBE:FIRSTの軌跡を追った映像が流れた。2021年11月6日、初のワンマンライブの翌日。SKY-HIが7人に「3年以内にドームツアーをやる。そのためには腹を括って誰もが納得できるアーティストにならなきゃいけない」と告げる映像に、BE:FIRSTがこれまで成し遂げてきた偉業をメンバーの言葉とともに振り返る映像が続く。数々の悩みや葛藤を経て辿り着いた東京ドーム。ピアノの旋律が聴こえ、「Grateful Pain」へ。7人がこれまでの痛みを綴った直筆の歌詞がスクリーンに映し出され、思いを込めた歌が重なることでドームは歓びで満ちていった。 SOTAが「やっとだよー、みんな! こんな最高のドームができるなんて思わなかった」と笑顔で叫んだ後、「この曲をドームでやる日が来るなんて。もっともっと思い出を作ろう」と言って、「Kick Start」へ。「THE FIRST」の合宿クリエイティブ審査をきっかけに生まれた曲だが、この日披露されたのは、7人を含む合宿の参加者が3チームに分かれて作ったオリジナル曲「“A” Life」と「Good Days」と「YOLO -You Only Live Once-」をリミックスしたバージョン。居場所もなく、行く当てもなかった7人が紡いだ言葉が、フロートに乗って肩を組んだり、手を振ったり、抱き合ったり、「ありがとう!」と叫ぶ満開の笑顔の7人によって5万人に届けられた。 RYOKIが「もう終盤じゃない?」とSHUNTOに問いかけた後、「タオルを振って」と言って、「Great Mistakes」へ。MANATOは嬉しそうに〈この瞬間にI’m ready〉と歌った後、「最高です! 僕たちにドームという景色を見せてくれてありがとうございます」と言った。最後は7人で勢いよく花道に駆け出し、センターステージで抱き合ってひとつの塊になり、口々に「楽しい‼」と叫んだ。 バンドサウンドが映えた「Bye-Good-Bye」。RYOKIのラップバートでSOTAが踊りまくり、SOTAのラップパートではRYOKIが踊りまくり、SOTAは〈ありがとう!〉とラップし笑顔でRYOKIを抱き寄せた。RYOKIが「俺ら、ライブが始まる前にスタンド最後列も一番端っこも真ん中も全部座ったんだから! みんながどういう気持ちで俺らのこと見て音楽楽しんでくれてるかわかってるから!」と誰ひとり置いていかないことを公言。SHUNTOはムービングステージの上で、「どうよ? このステージ! 近くない?」と満足気な表情を浮かべた。 ひとりひとりが真摯な言葉を吐露したMCタイムは、最年少のRYUHEIから始まった。RYUHEIが「14歳でオーディションを受ける前、僕は皆さんが思ってるより普通の帰り道を歩いていただけでした。どんな人生を送っても悔いはないと思ってたんですが、皆さんの顔を見て、もっと会いに来てほしいなって思ったし、もっと会いに行きたいって思ってます」と言うと、SHUNTOが「はぁ~!」と大きく息を吐くような声を出し、満面の笑顔で「ほんとに!音楽辞めなくて良かったー!」と言ってステージに倒れ込んだ。「俺、音楽始めた時、こんな幸せな気持ちになれるなんて一ミリも思ってなかったよ。ただ漠然とドームという夢を持ってここまで進んできたけど、このメンバーがいたから、THE FIRSTがあったから、ここにいてくれるBESTYがいるから、今がとんでもなく幸せと思ってます! マジで!」と叫んだ。 SHUNTOのMCを聞きながら涙を流していたSOTAは「7人が大好きだよー!」と絶叫。「死ぬまで7人で音楽を続けていきます。小学生みたいに突っ走って、いろんな夢を死ぬまで叶え続けたい。最高のBE:FIRSTを輝かせ続けるので、BESTYも存在し続けてください。7人と同じくらい愛してます」 MANATOは「ドームは夢のひとつだったので決まった時は嬉しかった。周りからは『早いね』って言われたけど、これぐらいのスパンでドームに行かなきゃ日高さんがBE:FIRSTを作った意味がないという責任を感じていた。でも、みんながついてきてくれて、この景色を7人で観ることができて悔いないです」と言って、責任を果たせたことに対して安堵の表情を見せた。 RYOKIは「俺は幼い頃から芸能界にいて、ずっと一人で孤独に活動してきました。根拠のない自信も根拠のある自信もあって、自信をつけるためにいろいろな努力をしてきた。俳優としてもアーティストとしても一人で大きな場所に立てると思ってたけど違いました! こんな最高の7人に出会えるなんて想定外だった! こいつらがいなかったら僕はいなかったし、みんながいなかったらここに立ててません。この先が見たい人? ついてこい!」と、気合の入った表情を見せた。 LEOは天を仰いで涙が流れるのを堪えている。言葉を振り絞るようにして「幸せです」と言った後、「仲間がいて日高さんがいて、目の前にBESTYがいて。辛かった日々もあったけど、BE:FIRSTになって、(スタンド席を指差しながら)あの頃あそこに座って見てた夢が今日叶いました。世界一幸せです! 生んでくれてありがとう!」って言って、頭を垂れて高々と右手を上げた。 JUNONも涙で言葉が出ない。「ここに来る前にたまたまオーディションの3次審査の待ち合わせの場所を通った。そこからまさか3年でドームに来れると思ってなかった。BESTYはもちろん、日高さん、BMSGのスタッフ、関係者の皆さんに支えられたおかげです。まだまだ俺らは先に進みます。『それは奇跡だよ』って言う人がいたとしても、こいつらは必然的にここに立ってるって証明して、BESTYを絶対幸せにするからついてきてください!」と言って、深々とおじぎをした。 ドームが感動で包まれる中、「Glorious」が歌われた。作詞を手がけたLEOが〈これ以外なかった 精一杯だったんだ 泥まみれの昨日の僕ら〉と歌うと、SHUNTOが〈何万回泣いて その涙を抱いて 君と見てた夢があった〉と続ける。泥まみれになって涙を抱きながら、夢に向かって本気で切磋琢磨してきたBE:FIRSTだからこそ歌える曲だ。LEOが「最後に7人からの贈り物です! 聴いてください!」と言って、「Message」へ。LEOが「あなたの声をここまで届けてください、せーの!」と号令をかけると、5万人の「ラララ」という歌声が響き、7人が愛おしそうに耳を傾ける。RYOKIが「最高だよ! 受け取ったよ」と伝え、LEOが「世界一幸せだよー!」と叫び、最後はバンドの音に合わせて7人でジャンプをして締め括った。 すべての持ち曲に加え、新曲「Set Sail」も披露した。スクリーンに今日のライブ映像と共にスタッフクレジットやセットリストが流れ、これでフィナーレかと思うと……「M29 Masterplan」という文字が映った。オープニング映像に重なる「すべてはあの時から決まっていたことだったんだ」というMANATOの声。三味線の旋律がオリエンタルなムードを高めるヒップホップチューン「Masterplan」が初披露された。コレオを手がけたのはSOTAとReiNa、作曲はRyosuke “Dr.R” Sakai。つまり、「Mainstream」と同じ座組だ。大量の桜吹雪が舞う中、メンバーのルーツとメイド・イン・ジャパンであることを大事にしながらも世界に照準を合わせた「Mainstream」の進化系のような意義深い響きを「Masterplan」は放っていた。