初代県令三島通庸により官庁街が整備された背景などを語る山田浩久教授＝山形市

　山形市の県郷土館「文翔館」で12日、「文翔館の日」の講演会が開かれ、山形大人文社会科学部の山田浩久教授が「切り離された城下町」と題し、初代県令・三島通庸（みちつね）が近代的な官庁街を城下町から離れた場所に整備した背景について都市計画の視点からひもといた。 　山田教授は、三島が明治期まで手つかずの状態で残されていた現在の文翔館周辺に官庁街を整備したことを説明。城下町では堀が、武家と商人社会を分ける境界となり、「その機能が明治、大正期まで引き継がれた」とし、“切り離された城下町”と表現した理由を説いた。 　また、大正期までのまちづくりをさまざまな視点で捉え直す意義にも触れ、「市街地の充実という普遍的なテーマを再考することも必要」と、これからの山形のまちづくりについて展望した。 　同館の開館日にちなんだイベントの一環で、約100人が聴講した。