「ウルトラマン」キングジョー後継機もぶった切り! 磨き上げた技が光るシブい進化
八つ裂き光輪など基本技を磨きあげる強豪!
最近の新人ウルトラマンたちは、フォームチェンジをしたりアーマーを着たり、数か月のうちに何回かパワーアップします。それに引き換え、初代「ウルトラマン」(以下、「初代マン」)は鎧も着ず武器も持たず、カラダひとつで戦うのみ……と思われがちですが、実は後の作品に出るたび、驚くべき強化を見せています。 【比較画像】「あれ、こんなカタチだっけ?」 実は3タイプあるマン兄さんの「口元」(4枚) 「ウルトラ兄弟」としてではなく単独で登場したといえば、『ウルトラマンメビウス』第47話です。「メフィラス星人(3代目)」に「自分は手を出さないから傍観していろ」とけん制されたあと、メフィラスが地球人に手を出したので満を持して登場します。 そこでメフィラスが「グリップビーム」を放つや、胸を張って受け止め、手で払いのける堂々っぷりでした。初代メフィラスの同じ技は八つ裂き光輪と相殺されるほどの威力であり、おそるべき大胸筋の鍛え方です。 さらに『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』最終回では「キングジョーブラック」に対し、手の先に付けた「八つ裂き光輪」で腕の関節部分をぶった斬っています。相手は、「セブン」の「アイスラッガー」でもキズひとつ付かなかったキングジョーの後継機であり、初代マンの「攻撃力の磨き方」と「弱点を見極める経験値」が光っていました。 そして映画『劇場版ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン』では「ウルトラマンX」のピンチに「ティガ」とともに降臨し、「閻魔獣ザイゴーグ」の分身である「ゴーグファイヤーゴルザ」と対峙します。 一時は押されながらも、怪獣の熱線を八つ裂き光輪で防いだ上に、それを投げつけてスキを作り、「スペシウム光線」で見事にとどめを刺していました。基本技をつないだコンビネーションは、ベテランの渋みさえ感じさせます。ちなみに本作の公開はウルトラマン生誕50周年に当たり、初代マンへのリスペクトに満ちた素晴らしい映画です。 配信番組『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』では、「ゾフィー」や「ジャック(帰マン)」とともに強敵「モルド・スペクター」と対決しました。今度は「アタック光線」をゼロ距離で放ったものの防がれ、相手が体勢を崩したスキに2撃目をクリーンヒットさせています。光線を腕にまとってパンチと織り交ぜており、格闘技にガッチリ組み込んでいます。 1996年の短編映画『甦れ!ウルトラマン』に登場した初代マンは、最強かもしれません。もっとも「初代マンがゼットンに敗れたが死ななかった」イフの世界であり、TV版とは世界線が異なるようです。 この世界でので初代マンはスランプに陥っており、もうウルトラマンは要らないんじゃない? と科特隊のメンバーに言われるほどです。そこに怪獣軍団が襲来し、再び「ゼットン」も現れます。またもや初代マンを圧倒、危うし! そこで、イデ隊員がスタミナドリンクから思いついた「スタミナカプセル」をカラータイマーに撃ち込まれ全回復すると、虹色に輝く「マリンスペシウム光線」を発射、ゼットンは爆発四散するのでした。 これほど強い初代マンは後にも先にもありませんが、ドーピングに助けられただけという印象もあります。それよりウルトラマンの身体データもないのに、一発で強化に成功したイデ隊員がすごすぎます。最後のナレーションで「彼は宇宙から来たヒーローなのかもしれない」とほめていますが、うなずくしかありませんよ!
多根清史