運転下手もこれなら余裕! 超小まわりが利く「市街地最強」のクルマ4選
脅威の最小回転半径を持つクルマたち
混雑した街なかでは、コンパクトで小まわりの利くクルマが運転しやすい。扱いにくさを感じさせないボディサイズの上限は、全長が4500mm、全幅は1800mm、最小回転半径は5.3mと考えたい。このサイズを超えると、街なかで運転しやすいクルマとはいえなくなる。 【画像】トレーラーの車輪が後輪操舵で切れ角がついている様子 それなら運転のしやすさ、小まわりの利きを究極的に追求したクルマには、どのような車種があるのか。 もっとも身近な存在は、農作物を積んであぜ道を走るような使い方を想定した軽トラックだ。全長の3395mmと全幅の1475mmは、ほかの軽乗用車と同じだが、乗員をボディの先端に配置してその下側に前輪が位置する。そのためにホイールベース(前輪と後輪の間隔)は1900mmと短い。 しかも駆動方式が後輪駆動で前輪の最大操舵角も大きいから、最小回転半径は、ダイハツ・ハイゼットトラック、スズキ・キャリイとも3.6mに収まる。軽乗用車の4.4~4.8mに比べても、小まわりの利きが大幅に優れている。最大操舵角で旋回すると、ターンテーブルに乗って回転しているような印象を受ける。 過去の軽自動車では、スズキ・ツインの小まわり性能が優れていた。2003年に発売された2人乗りのボディは、全長が2735mm、ホイールベースも1800mmに抑えられている。軽トラックと違って前輪駆動だったが、最小回転半径は3.6mに収まった。全幅は今の軽自動車と同じ1475mmだが、少し広い玄関であれば、空いたスペースに駐車できたほど。 過去の小型車では、2008年に発売されたトヨタiQがある。前輪駆動のコンパクトカーで後席を備えた4人乗りだが、直列3気筒1リッターエンジン(のちに直列4気筒1.3リッターも追加)と独自の駆動システムを採用して、ボディを短く切り詰めた。全長は2985mm、ホイールベースは2000mmと短い。最小回転半径も3.9mで、全幅は1680mmながらも小まわりが利いて駐車性能も優れていた。 輸入車ではスマート・フォーツーがあった。1998年に登場した2人乗りのボディは、エンジンを後部に搭載することで、全長を2500mmまで切り詰めていた。ホイールベースも1810mmと短い。とくにスマートKは、全幅を1470mmに抑えて、日本の軽自動車規格に適合させた。最小回転半径も4.1mとされ、小まわりの利きが優れた個性的な軽自動車として注目された。
渡辺陽一郎