指名を受けたモイセエフ選手（24日、愛知県豊川市で）

　24日に行われたプロ野球のドラフト（新人選手選択）会議で、豊川高のモイセエフ・ニキータ外野手（17）がヤクルト2位で指名を受けた。 ドラフト会議でモイセエフ外野手らが指名を受ける

　豊川高で野球部のチームメートと中継を見守ったモイセエフ選手は、ヤクルトから2位指名を受けるとさわやかな笑顔を見せた。長谷川裕記監督とがっちり握手を交わし、「村上（宗隆）選手や山田（哲人）選手など球界を代表する打者がたくさんいるチームで成長し、日本代表を目指したい。目標はトリプルスリー」と夢を語った。

　ロシア人の両親を持つモイセエフ選手は愛知県阿久比町で育った。高校入学時に「プロ野球選手になる」と公言し周囲を驚かせたが、地道な練習で体重を20キロ以上増やして長打力をつけ、高校通算で18本の本塁打を記録。 　昨秋の神宮大会や今春の選抜大会でも本塁打を放ち、注目された。長谷川監督は「勝利、上達に向けてストイックに努力できて、人間性も素晴らしい。泥臭く、前の塁を狙うプレーでチームに活気をもたらす選手になれる」と太鼓判を押した。

　父のセルゲイさんは元々野球を知らなかったが、審判の資格を取るなどして野球生活を支えてくれたという。「1年目から試合に出場し、ヤクルトのユニホームを着て活躍する姿を見せて家族に恩返しをしたい」。モイセエフ選手はそう力を込めた。