“投資の神様”はなぜ「S&P500」を強く勧めるのか? 専門家がデータで解説「アメリカ株が“今後も強い”と断言できる理由」
アルファベット(Google)だけで日本の上位10社の研究開発費
アメリカを代表するテクノロジー企業は、事業展開の規模もすごい。iPhoneやiPad、Apple WatchといったApple製品を使うユーザー数は全世界で約20億人。Googleが提供する検索サービスの月間訪問件数は1.687億回を数える。Amazonの月間サイト訪問者数は22.7億人だ。 「国内企業とのスケールの違いは研究開発費にも表れています。日本でトップのトヨタ自動車の年間の研究開発費は0.9兆円。SONYは0.8兆円です。一方、Amazonは12.8兆円、アルファベット(Google)は6.8兆円ものコストを投じて新製品や新しいサービスの開発を続けているのです」(岡元氏) 日本で研究開発費の多い企業トップ10の合計が5.8兆円なので、アルファベット一社だけでその金額をカバーしていることになる。 「こうしたアメリカ企業のイノベーションに積極的に投資し、巨万の富と名声を手にしたのが“投資の神様”ことウォーレン・バフェット氏です。彼が率いる投資会社『バークシャー・ハサウェイ』は1988年を基準に現在までに約195倍という驚異的なリターンを実現させています。」(岡元氏) そのバフェット氏は、2019年のインタビューで、彼が亡くなった後の遺産について、自身の妻のために「財産の90%をS&P500に投資するように」と財産管理人に指示しているそうだ。 前編【「NYダウ」「S&P500」が最高値を更新! いまからでも“米国株”の恩恵にあずかるための「2つのポイント」を専門家が伝授】からのつづき 岡元兵八郎 マネックス証券の専門役員。専門である外国株のチーフ・外国株コンサルタントのほか、マネックス・ユニバーシティ投資教育機関のシニアフェローも務める。元Citigroup /米ソロモンブラザーズ証券のマネージング・ディレクター。外国株に30年以上携わるプロフェッショナルで、関わった海外の株式市場は世界54カ国を数える。海外訪問国は80カ国を超える。米国株はもちろんのこと、新興国の株式事情にも精通している。ニックネームは「ハッチ」。Xアカウント名 @heihachiro888 デイリー新潮編集部
新潮社