“投資の神様”はなぜ「S&P500」を強く勧めるのか? 専門家がデータで解説「アメリカ株が“今後も強い”と断言できる理由」
アメリカの人口が安定する理由
アメリカが強者であり続ける理由は、いくつかのデータでも説明することができる。代表的なものを挙げてみよう。 まずは石油の産出量と消費量。一般的に石油産出国と言うと、アラブ諸国のイメージが強いかも知れないが、実はシェア約20%でアメリカが断トツ1位を誇り、2位のサウジアラビアのシェア約11%を大きく上回る。一方、消費量の1位もアメリカが全体の21%を占めている。2位は15%の中国で、日本は4%なので、その差は歴然だ(米国エネルギー情報局の2021年のデータより)。 食料自給率も高い。農林水産省が2019年に作成した資料によれば、アメリカの食料自給率はカロリーベースで121%。日本はわずか38%に留まる。 防衛費予算も圧倒的で、Global Fire Powerの2023年の統計に記されたアメリカの防衛費は99兆円と、2位中国の30兆円の3倍以上。ちなみに日本は5.2兆円の11位である。 加えて、安定した「人口」も強みだ。国連のまとめた資料によると、2023年に80億人を突破した世界人口は、2050年には97億人に達し、2100年には大台を突破して、104億人に達する、というのが予想の中間値だそうだ。 国別のランキングで見ると、1990年時点の1位は中国で11.4億人、2位がインドの8.6億人、3位がアメリカの2.5億人。この順位は2022年も変わらないままで、2050年の予想値ではインドが1位となり16.7億人、2位が中国で13.2億人、アメリカは3位をキープし、3.8億人となっている。 「アメリカの人口が減らないのは、出生率の高さというより、“移民国家”であることの方が大きい。多様性を重んじる風潮は米国企業がイノベーションを生む源泉にもなっています」(岡元氏)
アメリカで1番ハイパフォーマンスな銘柄はリターン率約31万%!!
国力の高さもさることながら、個別銘柄のパフォーマンスも群を抜いている。1989年末から今年の2月末までの期間で集計した、日米のパフォーマンス上位10銘柄を見るとその差は歴然だ。 日本銘柄の1位は、半導体銘柄として知られる「東京エレクトロン」(銘柄コード8035)の6845%で、2位は「キーエンス」(6861)の6286%となっている。 アメリカの1位は、地方の金融機関向けのシステムを手掛ける「ジャック・ヘンリー・アンド・アソシエイツ」(ティッカーシンボルJKHY)で、リターンは脅威の312008%となっている。2位は「マイクロソフト」(MSFT)で108663%。他の有名企業では、「アップル」(AAPL)の73272%、「アドビ」(ADBE)の46011%などがある。まさに“桁違い”である。 「象徴的なのが6位にランクインしている『ベスト・バイ』という会社。58666%のリターンを記録していますが、どういう事業かというと、日本で言うビックカメラのような家電量販店を展開する会社なんです。日本で家電量販店の銘柄がこんな爆発的な伸びを記録することは考えにくいですよね」(岡元氏)