転覆船から6人救助 上地さん(喜界町)に感謝状 奄美海保
奄美海上保安部(大場伊佐大部長)は13日、鹿児島県喜界島の沖で転覆した作業船から乗員6人全員を救助したとして、漁船「よし丸」(喜界島漁協所属)の船長、上地義男さん(85)=喜界町湾=に感謝状を贈った。 転覆した作業船は今年4月20日、同町湾港沖で沖防波堤の延伸作業をしていた砂利運搬船の作業を支援。運搬船をつなぎ止めていたいかりを切り離す作業をしていた時にバランスを崩して転覆した。 一本釣り漁師の上地さんは同日、漁協で漁師仲間らと談笑していた時に事故発生の一報を受け、よし丸で救助に向かった。現場到着時には、転覆し海面に浮かんでいた船底に乗員6人が上がっていた。潮の流れもあったが近づくことは可能と判断。全員を自船に乗り移らせ、湾港に搬送した。けが人はなかった。 同町役場であった感謝状贈呈式で、上地さんは「自分も含めお互いさまなので、一番近い船が助けるものだと思っている。救助にためらいはなかった」と振り返り、「当たり前のことをしただけなので、(感謝状は)正直気恥ずかしい。あと何年漁に出られるか分からないが、助け合う気持ちに変わりはない」と語った。 大場部長は「海難事故は緊急性も高く、いつどこで起きるか分からない。事故が起これば海の仲間同士で助け合うことが大事。今後さらに連携を強化していきたい」と話した。