黄色いハンカチなど玄関に掲げ安否を確認 災害時の効率的な救助へ
和歌山市は、大規模災害時に世帯全員の無事が確認できた場合、玄関先に布を結ぶなどして救助隊に伝える取り組みを促している。災害発生から72時間を過ぎると大幅に生存率が下がるとされており、迅速な救助は大きな課題だ。この取り組みによって、助けの必要な世帯を救助隊がすぐに見極められることができるようになり、効率的な救助が期待できるという。 【イラストでみる】災害時の安否確認のイメージ 取り組みは、平成20年に静岡県富士宮市が「わが家は大丈夫!黄色いハンカチ大作戦」と題して始め、全国に広まったとされている。同市によると、多くの建物が倒壊した7年の阪神大震災を教訓に考案され、現在では市内の全125地区で実施している。 和歌山県内では、23年の東日本大震災を受け、有田川町で同年から災害時に玄関に掲示するための黄色い旗を全戸に配布。和歌山市内では、昨年から一部地域の防災訓練などで取り組みを実施。先月20日に楠見地区の一部の自治会、今月4日に松江地区で行われたほか、同23日には高松地区でも実施される予定だ。 市は今後、自主防災組織へ取り組みの周知を行い、導入を促す。玄関に掲げる掲示物は、黄色いハンカチやタオルなどさまざまなものが想定され、自主防災組織ごとに決めてもらう。 1月に能登半島地震が発生し、8月には南海トラフ地震臨時情報が発出され、市役所では、市民からの防災に関する問い合わせが増えているという。尾花正啓市長は「市民の中でも自助、共助という動きが活発化している。少しでも助けられる命を増やすことができるよう、市内の各地で広げてきたい」と話した。