【スワンS】前走17着アグリの逆襲劇に期待 好走データ該当、前走の敗因明確、血統良しで巻き返し必至
前走内容:CBC賞
前走CBC賞だった馬は17着アグリ、2着スズハローム、11着バースクライの3頭。レースラップは33.6-33.9で前傾0.3秒とスプリント重賞としてはゆったりとした流れだった。また内が綺麗な高速馬場だったこともあり、前々で競馬した馬が有利な展開だった。 スズハロームは好スタートを決め、ある程度のポジションを確保。最内を回って直線で少し外に出すという綺麗な競馬をした。ハマったという評価が妥当だろう。 アグリの大きな敗因は、海外帰りで態勢が整っていなかったことだろう。暑さが堪えたという騎手のコメントもあった。バースクライはスタート直後に挟まれる不利があり、後ろからの競馬になってしまった。ジョッキーもそれが敗因だと語っている。 着順こそスズハロームが最先着だが、アグリは実績十分で涼しくなってきた今ならリベンジ可能。バースクライも前走の走りが全てではない。
血統解説:アグリ、サーマルウインド
・アグリ 4代母イブニングエアーを根幹としてアメリカやヨーロッパで牝系が広がっており、ロングアイランドH(GⅡ・芝12F)勝ち馬で英オークス3着のMidnight Line、21年のウッディ・スティーヴンS(GⅠ・ダート7F)勝ち馬Drain the Clock、ジョッキークラブS(GⅡ・芝12F)とプリンセスオブウェールズタタソールズS(GⅡ・芝12F)勝ち馬で、2020年バーデン大賞(GⅠ・芝12F)で2着のCommunique、武豊騎手騎乗でアベイユドロンシャン賞(GⅠ・芝5F)を勝利したImperial Beautyなどが出ている。 本馬の近いところでは祖母TogetherがクイーンエリザベスⅡ世チャレンジカップS(GⅠ・芝9F)勝ち、その3/4同血の半兄Jan Vermeerがクリテリウム国際(GⅠ・芝8F)を勝利していて一流馬らしい血統背景だ。 このファミリーは基本的にスタミナがある馬が多いが、距離適性に関しては種牡馬の影響を受けやすいのが特徴の一つ。 アグリはカラヴァッジオの産駒でScat Daddyの影響が強く、スピードを全面に押し出したスプリンタータイプに出た。 前走CBC賞の記事で、本馬のベストは1400mだからどうかと疑問を投げかけたが、今回はベストの1400m。坂の下りで一気にスピードを上げて駆け抜けられる平坦の京都1400mは初出走だが、日本で一番相性の良いコースと言っても過言ではない。 ・サーマルウインド 日本での牝祖は3代母のウインドインハーヘア。ディープインパクトの母であり本馬も近親にあたる。本馬の近くでは叔父にアサヒ(父カレンブラックヒル)、従姉妹にアドマイヤミヤビ(父ハーツクライ)など重賞で活躍する馬が名前を連ねる。 成長力のあるファミリーで前走の春雷Sや4走前の信越Sの内容を見ると、ここにきて馬が完成してきた。 2走前が初めてのスプリント戦だったが問題なく走れていた。父がドレフォンだから一定のラップで走るのは得意なタイプだ。 本馬はスピードがあるもののスプリンターとしてはストライドが大きいタイプ。京都競馬場の外回りコースは合う。昨年の信越S以来の1400m戦だが前走より条件面でかなり上積みがある。