ホームランキャッチで米国野球殿堂入りの名手・山森雅文氏が語る、少年野球指導への思い【BCリーグジュニア】
今年で20回目を迎える「NPB12球団ジュニアトーナメント」は、近藤健介、森友哉、藤平尚真ら、日本を代表する選手を輩出してきた。今年のドラフトでも宗山塁(楽天1位=2014年広島ジュニア)、石塚裕惺(巨人1位=2018年千葉ロッテジュニア)ら8名が指名を受け、ますます注目度が上がっている。 【写真】オリックスから育成ドラフト2位指名を受けた、栃木ゴールデンブレーブス清水武蔵 26日から神宮球場、ベルーナドームで開催される今大会の招待チームとして参加するBCリーグジュニアは、代名詞のホームランキャッチで米国野球殿堂入りを果たした、元オリックスブルーウェーブの山森雅文氏がコーチとして指導にあたる。プロ野球、社会人野球、独立リーグでも指導経験のある名手に少年野球への思いを聞いた。 これまで山森コーチは、プロ野球、社会人野球でコーチを歴任し、2025年からBCリーグ栃木ゴールデンブレーブスのヘッドコーチに就任する。これまで主に成人の選手を指導してきたコーチが、小学生を指導するとなると、大きな違いがあるという。 「まず一番の違いは身体が出来ていないことですね。これまでは身体が出来上がった選手を見てきたので、そこが一番違います。選手たちには『バランス良く動くこと』を伝えています。これは高校生や大学生でもいるのですが、体幹が弱くてバットを下から振り上げてしまう。そうならないように、『平行に回るために軸足が折れるのを我慢しよう』とか言っています」 もっともNPBジュニアトーナメントに出場する選手は、10倍を優に超える倍率の熾烈なトライアウトを通過したエリートたちだ。それだけに上のレベルでの競技継続を志望する選手も多く、ケガは最も注意すべきことになる。 「ゲーム中のスライディングで、みたいなとっさに起きるケガは仕方ないのですが、高校、大学、プロでプレーしたい子が多いですから、股関節と肩甲骨のストレッチは歯磨きみたいに日課にしよう、というところを伝えるようにしていますね」 26日に行われる、大会本戦の目標を問うと、「加藤(幹典)監督もよく話していますが、まずは勝つこと。勝つことが選手の力を一番伸ばしてくれますからね」と期待を込める。 この大会の理念は、“夢”“成長・進歩”“生き生きと輝く姿”とある。勝利のために全力を尽くすことで、この3つの目標はきっと達成されるはずだ。 山森雅文(やまもり・まさふみ) 1960年11月26日生まれ/熊本県宇城市出身 球歴:熊本工-阪急ブレーブス/オリックスブレーブス/オリックスブルーウェーブ(1979-1994) 指導歴:日本ハムファイターズ(1995-2000)-オリックスブルーウェーブ(2001-2004)-千葉ロッテマリーンズ(2011-2012)-JFE東日本(2019-2022)-栃木ゴールデンブレーブス(2025-)
アスリートマガジン編集部