【ライブレポート】DUSTCELLがバンドと届けた「光」ツアー、武道館公演の発表に涙「報われる日が来る」
DUSTCELLの東名阪ツアー「DUSTCELL TOUR 2024『光』」が10月10日に東京・Zepp Haneda（TOKYO）でファイナルを迎えた。 【写真】武道館公演を発表したDUSTCELL。場内は悲鳴にも似た歓声に包まれた。（ほかライブ写真全25枚） ■ バンドサウンドとともに届ける「光」の世界 7月に発表したフルアルバム「光」のリリースに伴い本ツアーを実施したDUSTCELL。ファイナル公演は会場チケット完売につきYouTube Liveで全編無料配信も行われた。開演前の透過LEDには、観客がスマホでバーコードを読み込むことで生成可能な、カラフルな“光”が絶え間なく灯り続ける。開演時刻になると、小気味いいSEと連動するようにその光が輪を描き、大歓声の中でバンドメンバーを引き連れたDUSTCELLがステージに登場した。ライブはアルバムと同じく、疾走感あふれる「GAUZE」で幕開け。続いてダークな過去曲「火焔」が披露されると観客のペンライトやステージライトで場内が赤一色に染まり、Misumiの攻撃的な煽り、EMAの扇情的なボーカルが響き渡った。 ダークな楽曲のイメージを持たれがちなDUSTCELLにとって、「光」は透明感のあるサウンドが詰め込まれた新機軸のアルバム。ライブは「光」収録曲を中心に、めくるめく映像演出とともに進行する。中盤ではバンドメンバーが退場し、過去曲の中でも特に毒っ気の強い「堕落生活」「DERO」などを2人だけでパフォーマンス。フロアでは「あーそっかそっか！」「DERO! DERO!」といったフレーズに合わせて合唱が起こり、場内が一体感に包まれた。DUSTCELLのライブでは2人編成のブロックが設けられるのが定番だが、本公演ではバンド参加曲数がこれまでよりも増加。「Void」からはバンドメンバーが再登場し、繊細で没入感のあるステージが展開される。2022年に初めてバンド編成ライブを行ってから約2年が経ち、DUSTCELLとバンドの信頼関係がより強固になっていることがうかがえた。 ■ お腹が空くEMA、感慨深いMisumi パフォーマンスの合間に設けられる和やかなMCもDUSTCELLのライブの楽しみのひとつ。Misumiはライブ冒頭、フロアのペンライトの光を「夜の波のきらめき」と詩的に表現してから「僕らにとって、あなた方が光であって、あなた方にとっても僕らが光であるといいな」と語り、EMAから「それ言うなら最後のほうじゃない？」とツッコまれた。楽曲を立て続けに披露し、夜の都会を思わせるモダンな「Caffeine」を歌い上げたのち、EMAが「ライブ中に珍しいんだけど……めっちゃお腹空いた」と訴えて笑いを誘うひと幕も。なお、2人はライブ中一貫してツアーファイナルへの名残惜しさを全開にしており、Misumiは「家でマウスでカチカチと音楽を作って、これだけ多くの人が足を運んでくれて、感慨深いです」としみじみと語った。 その後、テレビアニメ「君は冥土様。」のエンディングテーマである最新曲「表情差分」でライブは最終ブロックに突入。「フラッシュバック」からDUSTCELLはギアを上げ、ドスの効いた声で煽ったり、叫ぶように歌ったりしながらフロアをヒートアップさせる。セットリスト終盤の定番曲「独白」が始まると、観客からは名残惜しさの混じった歓声が。そしてDUSTCELLは人気曲「STIGMA」でZepp Hanedaを盛大に揺らし、ステージをあとにした。 ■ 初の武道館公演発表、2人が語った言葉 アンコールにてDUSTCELLは3曲をパフォーマンス。ラスト1曲のタイミングで、2025年3月3日に初の東京・日本武道館公演を開催することを発表し、観客から悲鳴にも似た大歓声を浴びた。EMAは2019年のDUSTCELL結成時に、Misumiやマネージャー、KAMITSUBAKI STUDIOの統括プロデューサーであるPIEDPIPERの目を見て「必ず大きな景色を見せます」と言ったことを振り返る。「最初は自分のことが認められないことが多くて、今も変わらないけど。私は体力があまりなかったから、できる努力をして。このツアー中も何度も壁にぶつかったけど、今日は自分でも一番まっすぐに声が出たと思います」と自身の成長の実感を語った彼女は、バンドメンバー、家族、スタッフ、そしてMisumiに涙ながらに感謝を告げた。 EMAの思いを受け止めたMisumiは「こちらこそありがとうございます。僕はたまたま高校で軽音楽部に入って、ドラムを始めて。ここまでいろいろあったけど、やめずに続けていれば報われる日が来るんだということを実感しています」と胸中を明かし、「みんなも大変なこととかあると思うけど、夢があったら前を向いて光のほうに進んでいってもらいたい。僕らと一緒に武道館で素敵な世界を見ましょう」とメッセージを贈った。そしてDUSTCELLは最後に最新アルバムよりタイトルナンバー「光」を披露。ミラーボールの光が散らばる中、希望に満ちたムードをたたえツアーに幕を下ろした。 ■ セットリスト □ 「DUSTCELL TOUR 2024『光』」2024年10月10日 Zepp Haneda（TOKYO） 01. GAUZE 02. 火焔 03. Nighthawk 04. 蜜蜂 05. FRAGILE 06. PAIN 07. 帰りの会 08. 堕落生活 09. DERO 10. 可笑しな生き物 11. 無垢 12. Void 13. izqnqi 14. 透明度 15. 雨の植物園 16. 足りない 17. Caffeine 18. 表情差分 19. フラッシュバック 20. 命の行方 21. 独白 22. STIGMA ＜アンコール＞ 23. CULT 24. 優しい人でありたい 25. 光 ■ 公演情報 □ DUSTCELL LIVE「ONE」at 日本武道館 2025年3月3日（月）東京都 日本武道館
