方言継承で文化庁長官表彰 奄美市の「シマユムタ伝える会」
文化庁の2024年度文化庁長官表彰に、鹿児島県奄美市で奄美方言の継承に取り組む「シマユムタ伝える会」が選ばれた。今年度の表彰対象は全国で6団体91人の計97件で、鹿児島県内は同会だけ。17日には京都市で表彰式があった。シマユムタ伝える会の鈴木るり子会長(72)は「はげー、天までぬぶたん(昇った)気持ち」と喜びを方言で表した。 文化庁長官表彰は、国の文化振興などに貢献した人々の功績をたたえるもの。同庁によると、方言の継承への貢献が評価されて表彰を受けるのは、奄美群島では2021年度の朝崎郁恵さん以来3年ぶり。
文化庁はシマユムタ伝える会の功績について、「長年にわたり奄美方言(シマユムタ)消滅の危機感から各地の方言話者が参加し、方言の読み聞かせ、あまみエフエムへのレギュラー出演、方言イベントの企画、奄美方言調査への協力、方言サミットへの出演など、わが国の国語施策の推進に多大な貢献をしている」と評価した。 鈴木会長は「地道な活動ゆえに受賞は大きな励みになる。大切な宝物は島暮らしの足元にあることを皆が気付くきっかけとなるといい。大先輩方が築き上げてきたこの活動を今後も若い世代へつないでいきたい」と話している。 同会は1月8日、奄美市役所を表敬訪問し、表彰を報告する予定。