「2000万人」「108%」「600人」「52期連続」圧倒的王者のアパホテル、業界人も震撼する、4つの”ありえない数値”とは?
「ゲストがビジネスで利用いただき会社が料金を支払っても、ポイントはゲストご自身に付与されます。ある程度ポイントが貯まれば現金に交換できますので、貯金感覚で何度も泊まってステイタスを上げているお客様が多いですね。5段階のステイタスが、リピーターを呼んでいるのです」(元谷氏)。 加えて4段階目の階層からは、アーリー・チェックインが無料で利用できるなど、サービス面でも差別化が図られている。 ■日帰りプランで“2度売り”し、稼働率108%を実現
2つめのありえない数値は「108%」。まさかの100%超えの稼働率だ。 その要因となっているのが、「日帰りプラン」の存在。アパには、11時~17時までと、13時~19時まで利用できる2種類の日帰りプランがある。この日帰りプランが、稼働率と売り上げに大きく貢献しているのだ。 なぜなら日帰りプランは、1日24時間のうち11時~15時など、客室がほぼ使用されない空白時間を減らし、有効活用できる。アパは客室のリメイクも自社で行うため、「早めの時間にチェックアウトした客室を、1時間後に再販売する」といった“2度売り”が可能なのだ。
しかも昨今、リモートワークやフリーランスなどの働き方が増加する中で、日帰りプランへのニーズは高まっている。もちろん、コワーキングスペースなども人気だが、ホテルの客室なら、ベッドに寝転んで休憩も可能。さらに大浴場併設なら、汗を流してリフレッシュもできる。 極めつきに、宿泊よりも滞在時間が短いため、料金も割安。コワーキングスペースの1日利用料金とほぼ変わらないことも多い。 このニーズの高まりを受けて、2024年に開業した『アパホテル〈上野 御徒町駅前南〉』が初日に出した稼働率が108.8%だった。満室の100%からさらに8.8%底上げし、RevPAR(客室1室当たりの収益)も上がったのだ。
元谷氏は、「日帰りプランがあることで、本来の客室数が持つポテンシャル以上に売り上げが増加します。だから当社では“2度売り”を推奨しているんです」と手応えを語る。 けれど他ホテルでは、「日帰りプラン」を実施しているところは少ない。客室のリメイクをアウトソーシングしていたり、人員配置、従業員人数、オペレーションなどの面で、実現は簡単ではないからだ。そのため、大きな差別化につながっている。 ではアパには、豊富に人材が揃っているということだろうか。次なる3つめの数値は、その人材の採用についてだ。