エリオット、ハネウェル株を50億ドル超取得-会社分割求める
(ブルームバーグ): アクティビスト(物言う投資家)として知られる米ヘッジファンド運営会社エリオット・インベストメント・マネジメントは、米複合企業ハネウェル・インターナショナルの株式で50億ドル(約7700億円)余りのポジションを構築しており、同社に会社分割を迫っている。
12日のエリオット発表によると、同社はハネウェルを航空宇宙事業とオートメーション事業の独立した2企業に分割することを望んでいる。
エリオットのパートナー、マーク・スタインバーグ氏とマネジングパートナーのジェシー・コーン氏は、ハネウェルの取締役会に宛てた書簡で、「不均一な業務執行、一貫性のない財務実績、株価のアンダーパフォーマンス」が過去5年間にわたってハネウェルの価値創造の実績に悪影響を及ぼしてきたと指摘。
「こうした課題には明確な原因があり、明快な解決策があると当社では考える」とスタインバーグ、コーン両氏は記述。「かつてハネウェルに適していた複合企業構造は、もはやその限りではなくなっている。スリム化を受け入れる時が到来した」と続けた。
ノースカロライナ州シャーロットに本社を置くハネウェルの株価は過去5年間に約25%上昇。上昇率はS&P500種株価指数のインダストリアルズ・セクター指数の76%を大きく下回る。今年は7.4%上げており、時価総額は1460億ドルとなっている。
ハネウェルの広報担当者は、持続可能な成長、ポートフォリオの最適化、資本配分という規律ある戦略の実行を継続する上で、投資家のフィードバックを歓迎するとのコメントを発表。「エリオットは自らの見解をきょうまで当社に示していなかったが、われわれは意見を聞くため彼らと協議していく方針だ」とした。
エリオットによる単一銘柄への投資としては過去最大規模となり、エリオットはハネウェルの大株主トップ5に入った。ハネウェルの主要事業は航空宇宙やエネルギー、ビルディング・産業オートメーションなど多岐にわたる。同社は先月、先端材料部門をスピンオフしてスリム化を図る計画を発表していた。