「東大男子」からも「就職先の同僚」からも「逆風」を浴びつつける「東大女子」の「本音」
就職先でも悩みは尽きない
そして、卒業した後も逆風が続く。最近東大大学院を卒業し、誰もが知る有名企業に就職したCさんはこう打ち明ける。 「正直言うと、在学中は意外と居心地がよかったんです。私の周りではジェンダー論という授業が人気で、男女問わず性差別に関する話をしていました。でも、就職後はそういう話をオープンにできる環境ではなくなったこともあり、違和感がある発言をされても誰かと共有する機会は減ってしまいました。 私の職場にいる男性で、『学歴なんて意味がない』とか、学歴を意識した嫌味を言ってくる方がいます。周りに聞いてみると、私が部署に配属されてから目立ってそういう発言をするようになったみたいなんです。その男性は難関私立大学出身ですが、周囲に自分よりも高学歴の女性がいることが気に食わないのかもしれません。 そもそも、職場では男性の社員で東大卒という人がたくさんいるんです。なので、私が配属されたとたんにそういう言動が増えたと聞いて、考えすぎかもしれませんが、私への当てこすりのように感じてしまいました。 今後も同じように、私が仕事で成果を上げたり、昇進したりすることを不快に思う人がいるのかと思うと、もどかしいですね」
東大女子が語る「東大女子の面白さ」
Cさんなりの「東大女子論」も聞かせてもらえた。 「個人的な考えですが、『東大女子』は一種のブランドでもあると思うんです。現役東大生、東大卒といった肩書自体がアピールになりますし、ましてや数の少ない東大女子ですから。それで社会から重宝されたり、活躍を期待されたりという面はあると思います。 その一方で、活躍する女性に対して嫌悪感を抱くというような価値観も残っているんですよね。ちやほやされて、かつ敬遠される。私自身、そんな東大女子として社会で生きていくことは結構面白いことだと思っています。それでも、逆風を受けて東大女子が活躍しきれないのは悔しいですし、壁を感じて東大受験を諦める女子高生がいると思うと、やるせないです」 入学前、在学中、卒業後と、様々な段階で東大女子に吹き付ける逆風。「なぜ東大に女性が少ないのか」という問いに、実体験が突きつけるものは多い。 * さらに【つづき】「「田舎出身の東大生」が青ざめた…入学直後の「オリ合宿」でいきなり浴びせられる「まさかの洗礼」」の記事では、東大生が抱く「出身地」にまつわる複雑な思いを紹介する。
現代ビジネス編集部