出生前診断で障害が判明 〝命を選択する〟葛藤、出産を選んだ母 #令和の子 #令和の親
▽「不幸になると決まっているわけではないし、そう決めつけないでほしい」
今は2人の子育てを経験して、娘が生まれてきて良かったと心から思える。そして地域の中で自然に受け入れてもらい、暮らしていきたいと望んでいる。だから、久美さんが地元の小学校に通ったときの同級生たちが、スーパーや近所の道路などで会った際、声を掛けてくれたり、手を振ってくれたりすることが何よりうれしいという。「地域の中で、私たちがここで生活していると、ちゃんと認識されている」と感じるからだ。「障害がある子を産んだからといって不幸になると決まっているわけではないし、そう決めつけないでほしい」と訴える。 川井さんがずっと胸に抱え続けている「わが子がいつか母さんと呼んでほしい」という願いは、今もまだかなっていない。「時々、話さないかなと思って、呼びかけているんですけどね」。将来、「母さん」と呼んでくれるかまだ分からない。正直、難しいかもしれないとも感じる。それでも子どもたちの笑顔を見て、日々の幸せを感じているという。 「これまでの決断が正しかったのか分からないし、先のことも見えないけど、今日の幸せの積み重ねが将来につながっていくと思って、日々を楽しく生きていこうと思っています」 ※この記事は、共同通信とYahoo!ニュースによる共同連携企画です。