バットを振り込む巨人・岡本和真＝東京ドーム（撮影・中井誠）

クライマックスシリーズ（CS）は16日にセ、パ両リーグのファイナルステージが開幕する。セは4年ぶりにリーグ優勝した巨人が、レギュラーシーズン3位から勝ち上がったDeNAと東京ドームで対戦。主将の岡本和真内野手（28）は15日、先手必勝を誓った。 待ちわびた一戦が迫り、勝負師の目に戻ってきた。緊張感と高揚感が入り交じる中、岡本和が短期決戦の心得を説いた。 「やっぱり先に点を取るとか、勝った方が有利に進んでいく。そうなるように先制点を大事にやっていきたい」 2019年にもリーグ王者としてCSを経験。阪神とのファイナルステージは第1戦から2連勝し、4勝1敗（1勝のアドバンテージを含む）で突破した。岡本和は4試合で打率・533（15打数8安打）、3本塁打、7打点と暴れ、ファイナルステージMVPを受賞。ただ「打てたら乗っていけるし、そうじゃなかったら（状態を）戻す前に終わる」と短期決戦の難しさも口にした。レギュラーシーズンでは先制した試合で勝率・800（78試合60勝15敗3分け）。今季の勝ちパターンになっている。 ナインが抱える緊張感を和らげるように、阿部監督は全体練習前にナインを集め、訓示した。 「いつも通り。特別なことはしない。最後には自分たちが勝つんだ」 就任1年目で4年ぶりのセ・リーグ制覇に導いた指揮官は「すごくわくわくしている。（DeNAの）勢いはすごく感じる。しっかり腹を据えてやっていきたい」と表情を引き締めた。 不安材料は、全143試合に出場し、攻守両面で優勝に貢献した正二塁手・吉川の欠場。レギュラーシーズン終盤に痛めた左脇腹付近の状態が改善せず、阿部監督は「日本シリーズもどうかなというところ。他のメンバーで頑張ってもらう」と説明した。 副将の吉川の思いを、主将の岡本和が背負ってCSに挑む。自身も21年のCSは左脇腹痛で無念の欠場。苦い思い出があるからこそ「負けてしまったら、もっと責任を感じてしまう。そうならないように僕たちがカバーして勝てたら」と必勝を期した。 コロナ禍でCSが行われなかった20年以来4年ぶりの日本シリーズ進出、そして12年以来12年ぶりの日本シリーズ制覇へ－。岡本和は「短期決戦なので、俺が俺がという場面と、そうじゃなくて次につないだほうがチームとしていいという選択（の意識）を、いつも以上に強く持ってやりたい」と言葉に力を込めた。（樋口航）