【JJドラマ部】観るべき2024年冬ドラマ直前予想!|JJ
2024年一発目の冬ドラマは、地上波は久しぶりの宮藤官九郎脚本ドラマや『おっさんずラブ』『正直不動産』など大人気ドラマの続編、吉高由里子主演の大河ドラマ『光る君へ』や西島秀俊&芦田愛菜の日曜劇場『さよならマエストロ ~父と私のアパッシオナート~』など強力な作品が目白押し。その中からドラマオタクのコラムニスト小林久乃と元JJ編集長イマイズミがこれは絶対面白いはず!と予想したものをピックアップして、ああだこうだと喋り倒しました。さて二人が選んだのは…。(『不適切にもほどがある!』(TBS)公式ホームページより)
二人の推しがかぶったのはクドカンのコメディー作品と良質な医療ドラマ
元JJ編集長イマイズミ(以下、イマ):早速、それぞれが挙げたドラマの中で、かぶってるものからいきましょうか。 小林久乃(以下、小林):今クール、やっぱり外せないのは『不適切にもほどがある!』(1月26日22時~/TBS系)ですね。宮藤官九郎の地上波連ドラ脚本は『俺の家の話』(2021年/TBS系)以来だから楽しみ! イマ:俳優としては最近、『ゆりあ先生の赤い糸』(2023年/TBS系)に伴優弥(木戸大聖)のお父さん役でちらっと出てましたね。このドラマは、令和にタイムスリップしてきた昭和のダメおやじが“不適切発言”でひっかきまわす意識低い系タイムスリップコメディーだそうです。 小林:令和のこのタイミングでコンプライアンスをテーマにしたドラマを書くって、やっぱりクドカンってさすがですよね。そして、タッグを組むプロデューサーが磯山晶さんで、阿部サダヲ出演といえば、『池袋ウエストゲートパーク』(2000年)、『木更津キャッツアイ』(2002年)、『タイガー&ドラゴン』(2005年/すべてTBS系)と名作揃い! イマ:阿部サダヲは「地獄のオガワ」と恐れられる野球部顧問の体育教師・小川市郎役だそうですが、プロフィールだけでもう“不適切”のにおいがプンプンしてきます(笑)。 小林:阿部さん、昔、取材でお会いしたことあるんですけど、カメラが回ってないととても穏やかで大人しい方でした。で、本番が始まると一瞬で「阿部サダヲ」になるギャップが凄くて。 イマ:へー、意外です。じゃあ、阿部サダヲのコンプラ違反全開バリバリの演技が楽しみですね! 小林:阿部サダヲ以外の演者も、仲里依紗、吉田羊、古田新太、山本耕史、三宅弘城とクドカンドラマの常連がキャスティングされています。磯村勇人くんはクドカン作品初参加ですね。心酔するアイドルを完コピしている秋津睦実(ムッチ先輩)役って書いてあるけど…。 イマ:それ絶対マッチ(近藤真彦)でしょ(笑)。私が注目しているのは市郎の娘・小川順子役の河合優実ちゃん。ここ数年のいろんな映画祭の新人賞を総なめにしていて、連ドラ初主演した『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(2023年/NHK BSプレミアム)の演技も素晴らしかった。 小林:毎クール必ずひとつはあるタイムリープものですが、小川市郎が1986年から2024年にタイムスリップしてきて、向坂サカエ(吉田羊)が2024年から1986年にタイムスリップするっていう設定なんだけど、これどうやってストーリーを絡ませるんでしょうか…。 イマ:そこらへんはルールを明確にしてくれないと何でもアリになっちゃいますもんね。 小林:まあ、コメディーなんでそんなに難しく考えなくてもいいんでしょうけど。クドカンが作品の意図を、“昭和の価値観を「古い」と一言で片づけずに、自分と違う価値観を認めてこその多様性じゃないだろうか”と言っているように、われわれ昭和育ちは「懐かしい~」ってなるし、若い子たちは「昭和ってこんな時代だったんだ!」って楽しめるドラマになりそうですね。 イマ:若い子からしたら平成ですらレトロなんだから、昭和ってもう江戸時代ぐらいの感覚なんじゃないかしら…。 小林:そして、二人が注目しているもう一つのドラマは『お別れホスピタル』(2月3日22時~/NHK総合)です。2月スタートということと、全4話ということで入れるかどうか迷ったんですけど、やっぱりこのドラマは外せないかなと。 イマ:原作漫画は沖田×華(ばっか)さん、脚本は安達奈緒子さんという、名作『透明なゆりかご』(2018年/NHK総合)のタッグ再びですから、間違いありませんね。余命わずかな人や、病状に加え認知症などで日常生活が困難な人がたどり着く療養病棟が舞台。看護師・辺見歩(岸井ゆきの)と医師・広野誠二(松山ケンイチ)を中心とした終末期医療に関わる人たちを描く作品です。 小林:われわれの親世代も高齢になってきたので、こういう内容は身につまされますね。『透明なゆりかご』もそうでしたけど、『きのう何食べた?』(2023年/テレ東)など、気持ちに訴えかけてくる安達奈緒子さんの脚本は、このテーマにピッタリだと思います。 イマ:原作漫画はコミカルな画風なのに、内容は結構重いんですよね。10話もあるとしんどいから、4話で終わるくらいがキュッとしてて丁度いいのかもしれません。