幼児教育で「読み書き」が重要な理由とは? 小学校入学前からできる勉強のポイント
読めるようになってから書けるようにさせる
どのくらいの時期から絵本を読んであげるのがよいかということですが、2歳くらいである程度言葉が話せるようになって、テレビで幼児番組などを見るようになってきたら、テレビと並行して絵本を読んで聞かせてあげるというのがよいのではないかと思います。 絵本の読み聞かせというのは、子どもの教育にとっても、親との関係づくりにとっても非常によいことですから、たくさん絵本を読んであげてください。 自分で読めるようになると、興味を持っていろいろなものを読むことにチャレンジするようになります。少しくらい漢字が交じっていても、「これって、何て読むの?」と聞いてきたりしながら、字を読むことを身につけていきます。 字を書けるようになることも重要なことですが、読めるようになってくると、たいていの子どもはだんだんと書けるようになっていきますので、書くことに関しては、この段階ではそれほど心配しなくてもよいでしょう。むしろ、書くことを早く覚えさせようとあせってしまうほうがよくないと思います。 「読み書き」といわれるように、まずは「読むこと」を先にして、次第に「書くこと」へとチャレンジさせていくのがよいのです。
幼児期の勉強では叱らない
本来、「叱る」ということは、大切なことなのですが、まず先に子どもが「親から愛されている」という実感を十分に持っていないと、叱ることが本当の効果を発揮しません。あまりにも叱られてばかりいますと、「親は自分のことが好きじゃないから叱っているんだ」というように思われてしまうこともあります。 もちろん、人間としてやってはいけないことに対して叱る場合には、愛情が先とはいっていられませんから、すぐに叱ってもかまいませんが、勉強に関するかぎりは、あくまでも叱ることより愛情を優先すべきです。 親というのは、幼児にとっては圧倒的に強い立場にあります。その圧倒的に強い立場の人から、ものすごく怖い怒り方をされるということを、子どもの立場になって想像してみてください。それはもう、叱られているというよりも、ビクッとするほど怖いことをされていると感じるのではないでしょうか。 幼児期の勉強に関していえば、叱ることはできるかぎり我慢するというくらいのほうがちょうどいいのです。本来子どもというのは、叱られるよりも、褒められるほうが伸びるものです。叱ることを極力我慢して、どんどん褒めてあげてください。
和田秀樹