【専門店探訪】圧倒的品揃えの “攻める” オーディオ専門店。大阪の老舗ショップ・シマムセンを訪ねる
大阪のオーディオ専門店として長い歴史を持つ「シマムセン」。日本橋のでんでんタウンのなかほどに店を構える、創業70年を超える老舗オーディオショップである。この度11月30日/12月1日に行われた「第33回オーディオセッション in OSAKA」への取材と合わせて、1年ぶりに店舗を訪問させてもらった。 「展示品をしっかり置いてくれて、お客様に対してもきっちりフォローアップしてくれる」と、国内メーカーや商社が口を揃える信頼のオーディオショップ。3Fまでが店舗エリアとなっているメインビルと、ハイエンド製品の試聴やイベントなどに活躍する別ルーム・CYMA(シーマ)の2箇所をメインに営業を行っている。 メインビルの1Fはおもに中古販売、2Fは中核価格帯の製品/アクセサリーとホームシアター、3Fはハイエンドな価格帯が中心となる。国産/海外ブランドの両方を扱うが、特に人気があるのはアキュフェーズ、そしてラックスマンやエソテリックといった国産ブランドである。 社長の堀野裕一郎さんは、小社が主催するアワード「オーディオ銘機賞」の審査員も長年務めている大ベテラン。今年の注目モデルについてうかがってみると、「やっぱりアキュフェーズは強いです。新しく発売になったA級パワーアンプ『A-48S』も買い替えを中心にしっかり動いている印象です。B&Wも好調でしたが、春に値上げしてからちょっと落ち着いてしまいましたね。あとそう、Qobuzにも期待しています。BLUESOUNDのネットワークプレーヤーも一旦止まっていましたが、またじわじわと動き始めたところを見ると、やはりQobuzのよい影響じゃないでしょうか」と語ってくれた。 さらに、年末商戦に向けてマランツの “10シリーズ” にも期待しているところだという。「先週店頭に入ってきたばっかりで、これからお客様にもしっかり聴いていただける機会が増えるでしょう。大阪セッションでも話題になっていたようですね。マランツのこれまでのフラグシップモデルが60万円くらいでしたから、一気に3倍アップ。お客様からの反響がどう出るか、楽しみです」 ハイエンドへの新挑戦も気になるマランツだが、今年の売れ筋はやはり「MODEL M1」。HDMI入力、ネットワークにも対応するコンパクトなプリメインアンプ、リビングにも置きやすいおしゃれなデザインで、リビングオーディオに新しい風を吹き込んだ。 他にも注目の製品として、フランコ・セルブリンの「Accordo Goldberg」、ピエガの「Coax Gen2」シリーズ、またテクニクスのアクティブスピーカー「SC-CX700」などの名が上がった。アナログではDS Audio光カートリッジのエントリーバージョン「DS-E3」で、光カートリッジファンが広がることにも期待しているという。 アクセサリーの動向について尋ねると、引き続き仮想アースの元気が良いらしい。光城精工のスティック型アースやコンセントの空き端子に挿入するものなど、新製品も続々登場してきている。手軽なグレードアップアイテムへの需要は健在だ。 よりハイエンド製品の試聴に特化したCYMAにもお邪魔させてもらった。取材時にはJBL「Everest DD67000」をはじめ、ソナス・ファベール、TAD、YGアコースティックなどの垂涎のスピーカーがずらりと並ぶ。「定期的にイベントも開催していますし、VIPのお客さまにはじっくり時間をかけて聴き比べしてもらえる場所として活用しています」とスタッフの塩見さん。今週末の12月7日(土)はフランコ・セルブリン「Accordo」「Accordo Goldberg」、8日(日)ソナス・ファベールの「Amati G5」の試聴会も予定されているそうだ。 オーディオファンの “ワクワクする取り組み” を着実に積み重ねる信頼のオーディオ専門店、シマムセン。年末は年に一度の大売り出しのシーズンでもある。ネットワークからアナログまで、プロフェッショナルのスタッフたちが丁寧にサポートしてくれるので、気になるアイテムがある方は、ぜひお店に訪問を。 ■シマムセン Information 大阪市浪速区日本橋4-8-11 TEL:06-6632-2851 営業時間:10:30 - 18:30 定休日:毎週木曜日、毎月第1・第3・第5水曜日
ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈