「性行為を強要」損害賠償を求めていた女性と岸和田市長が和解 「非があると思っていません」と市長
大阪府岸和田市の市長に、「性行為を強要され、精神的に不調をきたした」などとして女性が提訴し、今月、市長との間で和解が成立していたことがわかりました。 代理人によると、女性は、2019年から岸和田市の永野耕平市長(46)と政治活動でかかわりがあり、数年の間に何度も性行為を強要されたということです。 女性は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症し、2021年に大阪府警に強制性交等罪で被害届を出しましたが、不起訴に。 その後、損害賠償を求めて永野市長を提訴しました。 裁判の中で、永野市長は「同意の上での行為だった」と主張したということです。
■大阪地裁は市長の謝罪や解決金500万円を払う和解を勧告
今月14日付の和解調書によると、大阪地裁は「市長の地位や日頃の言動からうかがわれる影響力、女性の就業歴や年齢などを考慮すると、純粋に対等な関係にあったといえない。むしろ雇用維持を左右し得る優越的な立場にあった」と認め、市長の謝罪や解決金500万円を払う和解を勧告し、成立しました。 【女性のコメント】「被告は最初から最後まで同意があったと主張していました。泣きながら拒絶する私を、立場や権力を乱用し、恐怖でおさえつけ、人格否定などの言葉の暴力で精神的に支配し、逃げられないようにすることが同意なのでしょうか」
■「僕は自分に非があると思っていません」
永野市長は取材に応じ、裁判があり、和解に至ったことは認めたものの、非公開だったことを理由に「詳細については言及できない」と繰り返しました。 【岸和田市・永野耕平市長】「損害賠償の責任があるとか、法的責任があるのなら話しないといけませんが、そういうのはないし、僕は自分に非があると思っていません。内容については、申し訳ないが、裁判をやってきた経緯の中から、秘匿するのが正しいと思っているので秘匿します」 女性の代理人によると、解決金の支払いと謝罪は、まだされていないということです。
■「和解金500万円は負ける側が払う金額」と菊地弁護士
【菊地幸夫弁護士】「和解金が500万円という金額は、私の感覚からは負ける側が払う金額ですね。決して非がない人が払う金額ではないと思います。裁判所が作る文書として、優越的な地位にあったというような、前書きのもとに和解するのもたくさんある例ではないんですね。だから前書きの内容、金額からすると、市長は非がないとおっしゃっているのは、どれくらい説得力があるのかどうかというところです」 (関西テレビ「newsランナー」 2024年11月28日放送)
関西テレビ