「自転車とヒッチハイクで…」 17歳少女を絞殺、30歳無職男の11日間の逃走劇
大阪の繁華街・ミナミのホテルで少女(17)を絞殺した30歳の無職、福井竣介。その身柄が確保されたのは、遠く離れた神奈川県だった。 【写真を見る】逃走劇を繰り広げた無職の福井容疑者
「10月9日午後、横浜市西区にある漫画喫茶から出てきた福井を、大阪府警が逮捕しました」 と、府警担当記者が言う。 「9月28日の午後5時半前、福井は、道頓堀のホテル2階の部屋に少女と入室しました。二人が会うのはこの日が初めてとみられ、福井が少女のSNSにメッセージを送り、ホテル近くで合流しています」
剥がれた中指の爪
深夜になって部屋を訪れたホテル従業員が少女の遺体を発見。 「首の圧迫痕以外、目立った外傷や着衣の乱れはありませんでしたが、左手中指の爪が剥がれていた。必死に抵抗したことがうかがえます。部屋には彼女のバッグやスマホが残され、財布がなくなっていました。福井は、入室の1時間20分後には1階のフロントを通らず2階の窓から飛び降り、逃げていました」 現場はグリコの巨大看板で知られる戎(えびす)橋からほど近いホテル街。福井容疑者はミナミの雑踏に姿を消し、11日間にわたる逃走劇が始まったのである。
自転車とヒッチハイク
大阪府警関係者によると、福井容疑者は意外な移動方法で捜査の網をすり抜けていたという。 「ホテル周辺の防犯カメラに、容疑者が逃走する様子や自転車に乗っている姿が映っていました。ですが、複数の防犯カメラの映像をつなげて足どりを追う“リレー捜査”でも行方はつかめませんでした」 岐阜県内で同居する母親から聞けたのは“事件の3日前に家出した”といった程度。逃走先に結びつく情報は得られなかった。 「容疑者は結局、道頓堀界隈で自転車を盗み、自転車で走ると通常1時間ほどの距離の吹田市まで移動していた。そのあと、ヒッチハイクで横浜へと向かっていたのです」 ただし、と続けるには、 「容疑者は事件前日、現場近くの宿泊施設で、客同士でトラブルを起こしていた。通報を受けた府警の南署が対応して、免許証を確認し顔写真を撮影。この顔写真と防犯カメラに映った人物の特徴が一致し、情報提供を呼びかけられた。それをもとに、横浜市内に滞在しているとの情報が寄せられ、身柄を確保できました」