NVIDIAのジェンスン・ファンCEOとの孫正義氏が語り合い、3000人が聞き漏らすまいとした全て 孫氏が10年前、ファン氏に伝えた「市場はNVIDIAの価値を理解していない」
会場笑い。孫さんも、ファンさんの肩に手を置き、伏せながら笑う。 ファンさん 「ははは、冗談です。泣いてもいいですよ、一緒に泣きましょう」 「テクノロジー革命の各時代において、どのようにして100%の的中率で革新者や創造者たちを見出してきましたか?」 孫さん 「ただ運が良かっただけだと思います。なんとなく進んでいただけです」 「それは、情熱であり、夢です。そして先駆者の直感とでも言いましょうか。同じビジョンを共有できている。オオカミがお互いに匂いを嗅ぎ合うように、私たちも嗅ぎあっている」 ファンさん 「2匹の子犬飼っているけど、その例えはねぇ…」 観客の笑いを誘ったところで、テーマはAI産業に移っていく。 ■すべての産業が変革を迎えている ファンさん 「過去を振り返って、AIというプラットフォームの変革がこれまでとどう違うか、何が違っているのか」 孫さん 「これは最もエキサイティングで、最もダイナミックな未来の最前線です。これは今までの1000倍の大きい、最大の波です」 ファンさん 「重要なのは、AIがソフトウェアであると理解することです。それまでとは大きく異なるタイプのソフトウェアですが」 「人間が使うツールとしての時代から、ニューラルネットワーク、大規模言語モデル、エージェント、ロボットといった、人間のタスクを担い、産業で実際に働くことのできる新しい技術の時代へ移っています。これは100兆ドル規模の新しい産業です。単なるIT産業の進化に留まらず、すべての産業が変革を迎えています」 孫さん 「私たち人間だけが他の生物と比較して“スーパーブレイン”を持っている唯一の存在です。脳の力のおかげで、人類は非常に強力な存在になりました。筋力だけを比べれば、ライオンや象の方が強いですが、人間は最も賢い脳を持っています」 「今日のGDPに関わるすべての活動も、人間の何らかの脳の活動に基づいています。なので、あらゆる産業が影響を受けると思います」