侍ジャパン・才木浩人、完全アウェーで台湾を六回途中0封! 敵地の大声援も「逆に応援してくれてるんじゃないかという気持ちで」
【台北16日=中屋友那】国際大会「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」で2連覇を狙う野球日本代表「侍ジャパン」は1次リーグB組で台湾を3-1で下し、開幕3連勝。先発した才木浩人投手(26)=阪神=が六回途中3安打無失点と好投し、国際大会デビューを白星で飾った。17日のキューバ戦に勝てば2位以内が確定し、2次リーグ進出が決まる。 【写真】大音量で台湾のチアリーダーが舞い、ドーム内に4万人超の声援が響き渡る 圧巻の世界デビューで、日本に勝利をもたらした。日の丸初選出の才木がホームの台湾打線を制圧。プロ8年目にして、国際大会でベールを脱いだ。 「3点も取ってくれたので、楽な気持ちで投げることができた。台湾の応援がすごく、最後は少し力んでしまいましたが、結果的にゼロで終われてよかった」 大音量でチアリーダーが舞い、4万人超の声援がドーム内に響き渡る独特の雰囲気にも屈しなかった。「逆に応援してくれてるんじゃないかという気持ちで投げました」。一回に森下(阪神)の犠飛で先制点をもらうと、立ち上がりから飛ばす。威力のある直球とフォークを武器に、五回まで二塁も踏ませず。六回に四球と安打で2死一、二塁として降板したが、3安打無失点。5三振を奪う力投だった。 宮崎での事前合宿からすさまじい直球を投げる背番号35は、周りの選手も一目置く存在だった。しかし合宿初日には一人でストレッチをする姿が。「初対面は苦手」となかなか輪に入れなかった。そんな中、才木に話しかけたのが同学年の鈴木昭(ロッテ)と坂倉(広島)だ。7日の誕生日には同期会も開催。ケーキで祝福を受け、「同級生はいい人ばっかり。わざわざ用意してくれてありがたかった」と感謝した。 その坂倉とバッテリーを組んで重ねた「0」。そしてマウンドを譲った2番手の鈴木昭が後続を断ったときにも、ベンチから真っ先に駆け寄ったのは才木だった。「鈴木昭汰には嫌な場面で回してしまったけど踏ん張ってくれて、リリーフの人には感謝しかないです」と喜んだ。 「大谷選手(米ドジャース)に打たれてすごく悔しい思いをした。もっといいボールを投げられるようにというきっかけにもなった」と振り返る、2023年のWBC前の強化試合で浴びた特大の一発があったから成長できた。日本のエースになるため、満足することなく上を目指す。