衝撃!タコがマグロの価格を上回る 統計以来初 “庶民の食材”に異変
■仕入れ値の高騰 苦しい飲食店
透き通るほど美しい身をした新鮮なタコ。香り高いだしに、さっとくぐらせて食べる名物・たこしゃぶが人気のタコ料理専門店「たこや三忠」の厨房(ちゅうぼう)には、仕入れたばかりの国産タコが並んでいる。 佐藤由之店主 「きょうも(タコ)高かったですけれども、きょうはこの2杯。1キロ3000円ぐらいです。2~3年前から(仕入れ値が)1.5倍ぐらいになってきている」 創業して38年、これほどの高騰は経験がないという。あまりの高騰に、別の食材を加えタコの量を減らしたメニューも考案した。 しかし、今年に入り、ほとんどのメニューを2割程度値上げした。それでも苦しい状況だ。 佐藤店主 「タコがとれないことが最近多い。日によっては3倍~4倍という(仕入れの)値段がつくことも。そういう時はやっぱり厳しい。でも(タコが)ないといけない」 悩みは値段だけではない。 佐藤店主 「手に乗るようなサイズですからね。大きいのは圧倒的に少なくなった。ここ1~2年はもう本当にそうですね」 以前は2キロ~3キロほどの大きなタコが主流だったが、今は1キロ台の小ぶりなものが多いという。 佐藤店主 「タコはタコですから、高級なものにならないでほしい」
■タコ焼きの中には…アスパラガス?
安さとうまさが人気のタコ焼き店「たこ焼の三久(千葉・成田市)」でも悲鳴が上がっている。 加藤澄子店長 「開店当初は(1キロ)950円。それが今、3500円以上してるでしょ。タコは年々(値上がりが)すごいですよね」 「海外産のタコを使っている」というたこ焼の三久では、タコの仕入れ値が創業当時の29年前に比べ、およそ3.7倍に跳ね上がった。 加藤店長 「(個人経営のため)給料払う人が私しかいないでしょ。だから、給料はほとんど取らないよね」 加藤店長は「売り上げのほとんどが食材費に消えていく」と嘆く。これまで自分の給料を切り詰めて頑張ってきたが、今月から100円の値上げに踏み切った。 加藤店長 「どうしてもタコがメインだから、タコがうんと値上がりしちゃってるもので、やっぱり今までの値段だとちょっと厳しい」 こうしたなか、「タコ以外の具材を使い乗り切ろう」とするタコ焼き店もある。 大阪玉出会津屋お台場店 松尾真由さん 「(Q.今、何を入れているんですか?)アスパラとチーズを豚肉で巻いたものを入れています」 「(Q.タコじゃないんですか?)そうですね。タコは入ってないです」 タコ焼きの中に入っていたのは、豚肉に巻かれたアスパラガスだった。評判も上々で人気商品になりつつあるという。 松尾さん 「(タコが)年々高騰しているので、コストを抑えるためにタコ以外のアスパラ、チーズの商品を入れるようになりました」 徳島からの観光客 「タコ焼きを求めていたのに、他のはってなりますね。(タコ高騰で)仕方ないのかとは思いますね。アリだとは思うんですけど」