【RIZIN】賽は投げられた──武田に一本勝ちのシェイドゥラエフ「早く次戦を組んで」&関をKOしたダウトベック「年末にはチャンピオンに」
2024年6月9日(日)東京・国立代々木競技場第一体育館にて『RIZIN.47』が開催され、フェザー級でクレベル・コイケがフアン・アーチュレッタに一本勝ちし、王者・鈴木千裕の挑戦者に名乗りを挙げるなか、新たな海外選手が一気に上位戦線に割って入る活躍を見せた。 【写真】分かっていても食らったダウトベックの左の拳 第6試合では、ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)が武田光司に1R 一本勝ち。第4試合では、朝倉未来戦以来5年9カ月ぶりにRIZINに参戦したカルシャガ・ダウトベック(カザフスタン)が関鉄矢に1R KO勝ちと、いずれも初回でRIZIN常連日本人選手を仕留めている。 ダウトベックは7連勝。6連続1Rフィニッシュ勝利中で、ディエゴ・ブランダオ、松嶋こよみをフィニュシュしていることから、その実力は折り紙付き。今回の関との試合でも左の打撃を武器に、左ミドルを当てておいての左オーバーハンドでダウンを奪い、立ち上がったところに強烈な左ボディで関を悶絶KOに下している。「岩のような拳だった」と関に言わしめたカザフスタンの“ハンズ・オブ・ストーン”は、試合後、「ベルトに近づける試合を組んでいただけるなら戦う準備はできている」と、上位戦線に宣戦布告した。 また、マチュアGAMMAフェザー級王者から、プロMMAで10戦無敗としたシェイドゥラエフは、RIZINバンタム級で活躍するヤン・ジヨンをROAD FCで1R リアネイキドチョークで極めている実力を武田戦でも披露。右を強振してコーナーに詰めると、尻下でクラッチして、レスリング強者の武田を巧みに、そして力強くリフトしてテイクダウン。 バックテイクのプレッシャーに前転して振り向きざまのギロチンも狙う武田の亀からの立ち際にバックを奪い、左手首をコントロールして、右腕一本で肩を抱いてリアネイキドチョーク。最後は左手も抜いて後ろ頭で組んでタップを奪っている。 試合後、武田は「こんなに1Rで組みで圧倒されたことはなかった」と舌を巻いたが、勝者は、「1Rは自分にとっては柔軟体操のようなものだった。1日2試合でもいい。もう1回、全然試合ができる」と余裕の表情。「RIZINにお願いしたいのは、なるべく早く次の試合を組んでほしいということ。そして私がチャンピオンになる」と戴冠を宣言した。 「箱庭」か「開国」かと議論が沸くなか、ダウトベックとシェイドゥラエフ以外にも、RIZIN3連勝中のビクター・コレスニック(ロシア)、2連勝中のイルホム・ノジモフ(ウズベキスタン)とロシア、中央アジアからの参戦組は増えており、“フィニュシュ力を持つ優良選手”の市場価値が上がるなか、RIZINが手をつけなければ、他団体に流れていくだけの状況で、すでに賽は投げられているといえる。 試合後、榊原CEOは「ワールドワイドの世界観の手応えを感じる内容だった。日本人選手はさらに奮起して頑張ればいい。もう少し外国勢をミックスして、海外勢同士の対戦も含め、“熱がつけば”フェザー級GPになってもいい」と期待を寄せている。 扉を開いてみなければ分からなかった実力やフィジカル差を、日本人選手はどう攻略するか。そのプロセスが日本MMAのレベルアップに繋がるはずだ。一方で、海外選手の増加でドラックテスト&罰則の重要度が増すことは間違いないだろう。 RIZINフェザー級の主な選手のスケジュールと、今回、参戦したシェイドゥラエフ、武田、ダウトベック、関との一問一答全文は以下の通りだ。 ◆主なRIZINフェザー級ファイター 王者 鈴木千裕(13勝3敗) ヴガール・ケラモフ(19勝5敗) 金原正徳(29勝13敗) クレベル・コイケ(33勝7敗) フアン・アーチュレッタ(29勝6敗) ビクター・コレスニック(26勝4敗) ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(11勝0敗) カルシャガ・ダウトベック(15勝3敗) 朝倉未来(17勝4敗)(vs.平本蓮) 斎藤 裕(21勝8敗)(vs.久保優太) 武田光司(16勝7敗) イルホム・ノジモフ(11勝3敗) 新居すぐる(17勝11敗) 中原由貴(18勝7敗) 今成正和(40勝22敗) 摩嶋一整(16勝5敗) 久保優太(4勝1敗)(vs.斎藤裕) 高橋遼伍(14勝8敗1分) 平本 蓮(3勝3敗)(vs.朝倉未来) 弥益ドミネーター聡志(13勝8敗) 萩原京平(7勝9敗) 関 鉄矢(16勝10敗1分) 高木 凌(7勝2敗) 白川陸斗(11勝9敗1分)(vs.中村大介 DEEP) 青井 人(13勝5敗1分) 神田コウヤ(12勝6敗)(vs.木下カラテ?DEEP) 横山武司(5勝1敗) 鈴木博昭(4勝3敗)(vs.YA-MAN) 山本空良(12勝8敗) カイル・アグォン(14勝12敗) 芦田崇宏(24勝14敗2分) 中村大介(34勝25敗1分)(vs.白川陸斗) YA-MAN(1勝1敗)(vs.鈴木博昭)