台風19号災害被災者が〝恩返しの炊き出し〟「知らないふりはできない」【長野】
能登半島地震の被災地で、炊き出しのボランティアが活動しています。駆け付けたのは2019年の台風19号災害で被災した長野市の飲食店の店主です。 被災地で作る熱々の焼きそば。冷たい雨が降る中、湯気が立ち込めます。 ■記者 「地震で大きな被害を受けた穴水町です。こちらの避難所の前では長野市で焼き肉店を営む人たちが炊き出しをしています」 星野良和さん。事前に町に許可を得て10日、キッチンカーとワゴン車で駆け付けました。 ■長野市から炊き出しに来た星野良和さん 「長野県長野市です」 ■記者 「いつから?」 ■星野さん 「けさ(10日)着いて、きょう1000食持ってきている。焼きそばと唐揚げと煮物」 ■記者 「どうして来たんですか?」 ■星野さん 「長野市の決壊の時に、炊き出しやっていたが、石川や富山のボランティアがたくさんいたのに、災害があったのに知らないふりはできない」 星野さんが営む焼き肉店は、台風19号災害で甚大な被害を受けた長野市長沼地区にあります。被災後は全国各地からボランティアが駆け付け復旧作業や炊き出しをの支援を受けました。今回はその時の恩返しです。 ■被災者 「先がまだ見えない状態で不安だが、とりあえず子どもたちの健康を優先して、おいしいもの食べさせてあげたい。うれしいですよね。遠い所、足場悪い中来てくれていて申し訳ないし、お返ししたいけどお返しする余裕もないし、ありがたい気持ちと申し訳ない気持ちでいっぱい感謝しかないです」 不安と闘う中、温かい食事が生きる糧になることを星野さんも身を持って知っています ■長野市から炊き出しに来た星野良和さん 「こんなことしかできないけど、あの時はみんな助かった住民代表というわけではないけど、やれる人が恩返しできればなという気持ちでやっている」 穴水町では町民に限ってボランティアを受け付け、自身も被災しながら支援に回る人もいて、支えあって避難生活を送っています。