必要なのはウォーキングでも筋トレでもない…1日10秒でヨボヨボ老化を防ぐ「かかとトントン体操」をご存じか
■「足底のアーチ」が崩れると痛みが出るようになる アーチは、体重を分散させることで、疲れないようにしながらからだを支えたり、歩いたときの振動をうまく受け止めたり、体重の移動をスムーズにする働きをしています。アーチのかたちが崩れて足底がベタッとすると、脚がだるくなったり、ふらついてスムーズに歩けなくなります。 さらに、アーチの崩れが進んで扁平足(へんぺいそく)や外反母趾(がいはんぼし)に発展すると、ただ靴を履いているだけで痛くなることもあります。そうなると、歩くこと自体が「つらい、いやだ、しんどい」と感じてしまい、楽しい老後は夢のまた夢になります。 足底のアーチを保つためには、かかとが正しい位置にあり、足の関節がしなやかに動かせることが重要です。また、骨や関節だけでなく、足底の筋肉や筋膜を強化することもポイントになります。アーチが崩れている人は、痛みが出る前に足底をしっかり整えなければなりません。 かんたんに転ばないような強い足底をつくるため、今度は足底の筋膜にも注目していただきたいと思います。 まず、足指を曲げてグーの状態にしてみてください。足の指のつけ根に、横に線が入りますよね。次に、バレリーナのようにつま先を前にツンととがらせてみてください。今度はまん中あたりに、縦に線が入るはずです。この縦と横の線の正体は、からだが前後、左右に揺れたときに、転ばないようバランスをとって支えてくれている筋膜の線です。 ■筋膜が機能していないと、転倒のリスクが高まる 横の線の筋膜は上半身が前後にグラついて、バランスを崩しそうになったときに足底を調整して、転倒を防ぎます。一方、縦の線の筋膜は、かかとと足指をつないでいて、左右にバランスを崩しそうになったときに機能します。 横の線の筋膜がうまく働いていないと、重心が前やうしろにブレたときに、前に向かって転びやすくなり、縦の線の筋膜がうまく機能していないと、からだが横にブレたときにバランスがとれなくなり、足首をひねってねんざする原因になります。人の頭は意外と重いので、重心が前後または左右にブレると頭に引っ張られてバランスが崩れ、転倒しそうになります。 ですが、足の甲の関節の動きがよいと、足底の筋膜の感覚も鋭くなるため、万が一転倒しそうになったとき、からだを支えようと瞬時に反応してふんばることができます。逆に筋膜が弱って使えていない状態では、足底の感覚センサーが鈍り、ふらついて転倒の原因になってしまうのです。 また、足の関節が硬い人は、そのままにしておくといずれ、すわって足の裏を見ることも、爪を自分で切ることも難しくなってしまいます。日常生活を快適にすごすためにも足底を鍛えたいものです。