TOTO清田徳明社長「売上高1兆円にとどまらない」 中国事業の現状「非常に厳しい」 My Vision
TOTOの清田徳明社長は22日までに産経新聞の単独インタビューに応じ、同社の成長を牽引(けんいん)してきた中国事業は不動産市況の低迷で「今の時点では非常に厳しい状況だ」と述べた。一方、国内市場はトイレなど水回りの「リモデル」の需要が堅調なため、人口減の中でも「安定して成長できる」と明言。2030年の売上高1兆円目標については「われわれは1兆円でとどまる企業だとは思っていない。会社の中でもっとやれるんだという勢いを作れるかが大事だ」と語り、目標達成に自信を示した。 ──中国事業の現状は 「想定していたより厳しい。中国には30年以上前から進出し、中国の経済成長とともに付加価値の高いブランドとして認識していただいてきた。ただ、新型コロナウイルス禍以降は不動産市況が悪化し、新築住宅の着工が減ったり、消費を控えたりする人が増え、需要がわれわれのターゲットである高級・中高級ゾーンから中級ゾーンにシフトした。このゾーンでは中国メーカーの台頭もあり、今の時点では非常に厳しい状況だ。ブランド力はあるので、きちんと運営できる規模感で安定成長を探っていく」 ■米国でウォシュレット伸びる ──一方、米国でウォシュレット(温水洗浄便座)の販売が伸びている 「1980年代後半に輸出した当時、現地では『変な器具がきたぞ』という感覚だったようだ(笑)。2010年代以降、訪日客がホテルや商業施設で体験する機会が増えたことや、小売店やEコマース(EC、電子商取引)など販路を広げてきた。潮目が変わったのはコロナ禍で、米国で一時ペーパー不足になり、交流サイト(SNS)など口コミでウォシュレットはペーパーが要らないと絶賛され、一層流れにさおさす形になった。米国は今、金利が高く中古住宅の動きは悪いが、ウォシュレットをつけるだけなら大きなお金がかからないこともあり、二桁成長が続いている。海外事業は米国と中国以外のアジア・オセアニアが成長を牽引していく」 ──国内市場での商機は