球界屈指の守護神マルティネスまで流出危機 3年連続最下位の中日は来季も前途多難 鬼筆のスポ魂
ついに絶対的守護神のライデル・マルティネス投手(28)まで流出の危機を迎えた。今季も60勝75敗8分けと振るわず、優勝した巨人に16・5ゲーム差をつけられ3年連続最下位に沈んだ中日から、オフシーズンに入っても明るい話が聞こえてこない。 【写真】報道陣の取材に応じる中日の守護神、マルティネス ■井上監督は残留要請も 中日の加藤宏幸球団本部長は19日、今季で3年契約を終えたマルティネスについて言及し「保留者名簿から外れる見込み」と話した。月内に日本野球機構(NPB)に提出する同名簿から外れると自由契約選手として公示され、中日を含む全球団と交渉可能になる。 今季43セーブ(通算166セーブ)を記録し、2度目のセーブ王に輝いたマルティネスに対して、2軍監督から昇格したばかりの井上一樹新監督(53)は自身がオーナーを務める名古屋市内の焼き肉店に招待して残留を要請。手応えがあったか…のような空気も伝えられたが、蓋を開けてみると自由契約だった。 ■争奪戦の様相 マルティネスはキューバ代表として参戦していた国際大会「プレミア12」で、母国が1次リーグで敗退すると日本に戻ってきた。中部国際空港で報道陣の取材を受け、「今のところ白紙の状態。ドラゴンズに戻るかもしれないし、戻らないかもしれない」と話した。中日とは2021年オフに年俸2億円(推定)の3年契約を締結していた。米国の報道では、すでに日本の複数球団が契約に関与するキューバ政府に最大1千万ドル(約15億円)近い条件を提示し、争奪戦の様相を呈しているという。 球界関係者は「キューバ政府は外貨を稼ぐために少しでも高く売りたいはず。マルティネスの個人的な感情など入り込む余地はない」と話していて、資金力の豊富な他球団とのマネーゲームに中日が付いていけるかは大いに疑問だ。 ■左腕エースはメジャーへ 仮に絶対的守護神まで流出となれば、中日はどうなることやら。先発ローテーションの柱だった小笠原慎之介投手(27)がポスティング制度を利用して米大リーグ移籍を目指し、福谷浩司投手(33)と木下拓哉捕手(32)は国内フリーエージェント(FA)権の行使を申請した。そもそも戦力層が薄い状況下、ストッパーと左腕エース、先発右腕にベテラン捕手まで失うとなると、チーム力は衰退の一途をたどるのではないか。 明るい材料といえば、井上新監督が10月24日のドラフト会議で、4球団競合の金丸夢斗投手(21)=関大=の交渉権獲得のクジを引き当てたことだが、関西の大学球界の重鎮は「金丸君は来年すぐに使えますかねぇ」と首をひねった。