議席が25%減、代表も落選...公明党が“最大の負け組”になっても変わらない「聖教新聞」の“大本営発表”感とは
運命の開票結果と紙面は…
このあとも、『逆転勝利へ大攻勢』(10月22日)、『大逆転へ猛拡大を』(10月23日)、『あと2日 情勢が一段と緊迫 比例区 全国で押し上げを 執念の猛攻、最後まで』(10月25日)そして選挙戦最終日(10月26日)は、『逆転へ 執念の「もう1票」を 今すぐ電話、SNSで訴えよう』。 3面では『全人脈に当たり抜こう!』とあり、頼み忘れや思い込みは禁物と注意喚起。SNSの“友だち”や年賀状の確認をと呼びかける。 投票日当日は『大逆転へ 力の限り 11選挙区で執念の猛追』。よく使われる言葉は「執念」だった。そして運命の開票結果は…… 『激戦突破、当選相次ぐ』(10月28日) ああ、これは聖教新聞と同じパターンだ。「比例区まず14議席獲得」とあくまでポジティブな報道だった。ただ私が読みたかったのは公明新聞による敗因分析だ。自分たちではどう認識しているのか知りたかった。たとえば今回の選挙では自民党の裏金問題が大きな焦点となったが、公明党は次のようなことをしていた。 『公明、「自民裏金議員」35人を推薦 選挙区事情を重視か』(毎日新聞10月15日) 自民が公認を出していない2人にも公明は推薦を出していたのだ(埼玉13区の三ツ林裕巳氏と兵庫9区の西村康稔氏)。選挙区での連携が背景にあるらしいが「公明が掲げる政治改革に矛盾する」と他党から批判が出るのも当然だろう。
もらい事故だったと言いたげな「裏金問題」
公明新聞の「結果分析」(10月30日)を読むと『自民の「政治とカネ」逆風に』とあった。《公明党は、政治資金規正法を改正し規制を強化するなど改革をリードしてきたものの、逆風のあおりを受け、公示前から8議席減の24議席に後退》。 あくまで自民のもらい事故だったと言いたげ。注目したのは11月2日の記事だ。「衆院選結果 識者に聞く」として慶応義塾大学名誉教授の小林良彰氏のインタビューがあった。 小林氏は政治とカネについては公明党が与党にいたから政治改革が進んだと言いつつ、《しかし、自民党が非公認とした候補者を公明党が推薦したことによって、有権者に「与党の問題」という誤解を与えてしまった面は否めない。》と述べていた。 「誤解を与えた」という表現でフォローしているが有権者は誤解はしていないはず。公明党の敗北は支持者の高齢化などの要因もあるだろうが、とにかく権力についていくという長年の姿勢も問われたのではないか? そうした「内からのツッコミ」を機関紙でも読みたかったのだが。
プチ鹿島