議席が25%減、代表も落選...公明党が“最大の負け組”になっても変わらない「聖教新聞」の“大本営発表”感とは
公明新聞が“意外な呼びかけ”
まず「主張」(社説のようなもの)を読むと、今回の衆院選における最大の争点は「政治改革」への対応と書いていた(10月10日)。 自民党派閥の政治資金問題によって政治への信頼が失墜する中、公明党はいち早く政治資金規正法の改正を強力にリードしたとし、《結党以来、一貫して「清潔政治」を掲げ政治腐敗と闘ってきた公明党が、その真骨頂を大いに発揮した成果と言えよう。》と胸を張る。 面白かったのは機関紙ならではの周囲への投票の呼びかけだ。SNSの活用を連日訴えていた。 《執念の「1票」の上積みへ友人・知人に公明党を語り抜くとともに、党や候補の実績、政策を手軽に紹介できるLINEなどのSNSも大いに活用したい。》(「主張」10月16日)
電話→SNSの“1票拡大作戦”
翌日には『SNSで「1票」の拡大を!』という特集が組まれていた。「LINEなどで投票依頼 画像や動画を送ること」はよいが、ダメなことには「メールでのお願いや掲載内容の印刷・配布」。丁寧に解説されていて普通に読んでも参考になった。こんな切実な解説は一般紙には無いからだろう。 公明党と言えば久しぶりに知人から電話がかかってきたら「公明党に一票」だったという方もいるのではないか。しかし今は電話ではなくSNS推奨なのだ。ここで思い出すのは「支持者の高齢化」と一般紙で解説されていた公明党の現状だ。年配の人が多くてSNSを使いこなせないという問題はないのか? だから紙面でSNSの使い方に力を入れているのでは? という推察もできた。
ここでも出てきた!「悪夢の民主党」
苦戦を伝える記事もあった。『公明劣勢、野党に勢い』(10月18日)。野党第1党の立憲民主党が議席上積みへという他紙の記事を紹介していた。立憲の情勢に焦ったのか、翌日こんな特集記事が出た。 『“悪夢”の旧民主党政権 再来許すな』(10月19日) 出ました、「悪夢の民主党政権」! 安倍晋三元首相がよく使ったフレーズだ。公明新聞は4面すべて使って旧民主党政権の「大罪」として7つ並べていた。そして日に日に一面の見出しが強烈になってくる。 『あと1週間 総力挙げ激戦突破 政治改革をリード、物価高克服へ』(10月20日) 石井代表を始めとした候補者が叫ぶ顔のドアップが載った10月21日の一面は凄かった。『逆転へ執念の大攻勢を』。3面では、『公明埋没、猛拡大を』とド迫力と悲壮感の見出しが並んでいた。