NY株続伸、1508ドル高 トランプ氏勝利で政策期待、買い膨らむ
6日のニューヨーク株式市場で、ダウ工業株30種平均は急伸した。前日比1508・05ドル(3・57%)高の4万3729・93ドルで取引を終え、約3週間ぶりに史上最高値を更新した。規制緩和を唱えるトランプ前大統領が大統領選に勝利したことで、収益拡大の恩恵を見込める大手銀行株が大幅に値上がりした。 【写真まとめ】トランプ氏が「勝利宣言」 妻、息子ら勢ぞろい ダウ平均は取引開始直後から値上がりし、上げ幅を拡大した。金融規制緩和への期待からゴールドマン・サックスが前日比13%、JPモルガン・チェースが11%上昇した。化石燃料の生産拡大期待から石油大手シェブロンも値上がりした。トランプ氏を支持するイーロン・マスク氏が経営トップを務める電気自動車(EV)大手テスラも14%上昇した。 トランプ氏は法人税の減税も公約に掲げており、企業業績の改善期待による「トランプ相場」が展開された。「大統領選が予想外に速やかに決着し、『選挙結果を認めない』といった政治的な不透明感がなくなった」(米証券アナリスト)ことも好感された。 一方、外国為替市場では円相場が対ドルで下落し、1ドル=154円台半ばをつけた。7月下旬以来、約3カ月ぶりの円安水準。 トランプ氏の大型減税で財政赤字が拡大するとの懸念から、指標となる米10年物国債の利回りが上昇。トランプ氏の関税引き上げなどでインフレが再燃し、米国の利下げが遅れるとの観測も強まり、金利の高いドルを買って円を売る取引が拡大した。【ワシントン大久保渉】