広島に悩ましい問題。評価アップのルーキー小園は開幕1軍?2軍?どう育成すべきか
広島のドラフト1位のルーキー、小園海斗内野手(18、報徳学園)の勢いが止まらない。7日、マツダスタジアムで行われた練習試合の社会人、オール広島戦で「1番・ショート」でスタメン出場すると、実戦では6試合連続となるヒットを記録し、また一歩開幕1軍へ近づいた。 広島の高卒ルーキーの野手としては、1992年の徳本政敬以来、27年ぶりとなる1軍キャンプ抜擢を受けた小園は、プロのスピードに負けることのないバットスイングとセンスを感じさせるバッティング、そして、5日の巨人戦でも満塁の場面で落ち着いて併殺を成立させるなど安定感のある守備力で試合を重ねるごとに評価がアップ。 オープン戦3試合目となった3日の西武戦では“プロ1号”までマークした。高卒ルーキーのオープン戦本塁打は、2013年の当時、日本ハムの大谷翔平(現エンゼルス)以来となる快挙。昨年のドラフトで、ソフトバンク、横浜DeNA、オリックスの4球団が競合した潜在能力をいきなり開花させている。 15日からはファームの公式戦がスタートするが、広島の緒方監督も、下に落とすに落とせない状況となっていて、開幕1軍の可能性も浮上しているが、一方で将来を考えると「開幕1軍」より「2軍で育成」という意見もある。 元々広島には、ルーキー、新外国人に関しては、球団内のマニュアルがあり、高卒ルーキーに関しては「2軍で育成」という方針。もちろん、小園本人は、そのまま開幕は1軍で迎えたいだろうが、ショートには、田中広輔という絶対的な壁がある。開幕1軍抜擢か、それとも2軍育成か。小園の今後は、どうするのがベストだろう。悩ましい問題である。 元千葉ロッテの里崎智也氏は迷うことなく「開幕1軍にこだわらず2軍で経験を積ませるべき」と主張した。 「今の状況は緒方監督からすれば想定外。うれしい悲鳴というところでしょう。確かに今は1軍に帯同して経験できることは多い。特に菊池、田中と一緒に練習から行動して一流のプロの姿をすぐ横で見て学べる点が大きい。守備の動きなど最高のお手本がいるわけですから。そういう貴重な経験を自らの結果でつかんでいる。ただシーズンに入ると菊池、田中の2人は、全試合にフル出場する選手です。田中をサードにコンバートするのなら話は別ですが、2人には、守備固めもいらない。三塁の安部は守りもいいので、広島に内野の守備固め、代走要員はいらないんです。そう考えると1軍で、ほとんど出番のない控えで大事な時間を過ごすよりも、2軍で毎試合、ショートでフルに使ってもらって経験を積むべきです。おそらく広島も3年後を見据えて小園を獲得したのだと思います」 里崎氏の意見には説得力がある。