広島に悩ましい問題。評価アップのルーキー小園は開幕1軍?2軍?どう育成すべきか
「高卒ルーキーの野手で1年目からレギュラーを獲得したのは過去に何人いますか? ショートで言えば立浪さんまで遡らなければなりません。小園は逸材でしょうが、広島は、今、ルーキーを無理して使わなければならないチーム状態にありません。勝ち負けよりもチーム再建や柱になる選手の育成がテーマとなっているチームは、ある程度、目をつぶってルーキーを使うという選択肢もあるのかもしれませんが、小園の置かれた状況は、そうではないでしょう」 過去に高卒ルーキーの野手で新人王を獲得したのは、中西太氏、豊田泰光氏、榎本喜八氏、張本勲氏、清原和博氏、立浪和義氏の6人だけだ。 ここ数年を見ても開幕1軍に入った高卒ルーキーの野手は、2006年の当時西武の炭谷銀仁朗(現巨人)、2011年のオリックスの駿太、2012年の中日の高橋周平、2013年の日本ハム、大谷、2016年の楽天、オコエ瑠偉の5人しかいない。炭谷、駿太、大谷の3人は開幕スタメンに抜擢されたが、大谷でさえ“二刀流”と不運な故障も重なってレギュラー定着とはいかなかった。 炭谷も、レギュラーを獲得したのは4年目。高橋も規定打席に達したのは昨年が初めてだった。あの松井秀喜氏でさえ開幕は2軍スタートで5月になってやっと1軍デビューした。 どれだけ大物でも、体力面、パワー、スピードを含めてプロの世界に順応するには時間が必要。しかも、広島はショートに困っているわけでもない。 小園の将来を考慮するのであれば、開幕1軍にこだわる必要はなく、「育成の広島」の方針通り、ファームで経験を積むことが賢い選択肢なのかもしれない。