東海大札幌の4番、5番を任された太田勝馬選手（左）と勝心選手=2024年10月24日午後1時15分、大和ハウスプレミストドーム、鈴木優香撮影

（24日、高校野球秋季北海道大会決勝、東海大札幌2―0北海） 　両者一歩も譲らぬ投手戦。四回裏、均衡を破ったのは、東海大札幌の4番、太田勝馬（しょうま）選手（2年）の本塁打だった。左翼ポールを直撃した2ランが決勝打となった。 【写真】北海―東海大札幌　東海大札幌四回裏1死二塁、太田勝馬（右）の左越え本塁打で2点を先取=2024年10月24日午前10時50分、大和ハウスプレミストドーム、鈴木優香撮影 　主軸を任される双子の太田兄弟の打撃は全道大会以降、不調だった。帰宅後、2人で素振りをしながら気付いたことを指摘し合った。「体が開くのが早いな」「『逆方向に』をもっと意識しよう」 　前日の準決勝で先に結果を残したのは、5番に座る兄の勝心（まさむね）選手だった。一回に3点三塁打を放ち、今夏の代表校、札幌日大に勝利した。 　勝馬選手も兄の一打に刺激を受けた。相手右腕のスライダーに狙いを定め、初球から思いっきり振り抜いた。「ここまで勝心と一緒にやってきて、2人で甲子園に行く夢がかなってうれしい」 　弟より先にベンチ入りしてきた勝心選手は「これまでずっと一緒に行動してきたのに、片方だけ入れず悔しい思いもしたと思う。へこたれずにやった結果」と弟を誇らしげにたたえた。 　中学生の時、北海が出場した選抜大会を2人で見に行った。小さい頃から一緒にめざしたあこがれの地を、2人の勝負強い打撃でたぐり寄せた。（鈴木優香）