森保監督 今大会初失点で勝利逃すも 失点後の対応を評価【サッカー W杯最終予選】
<2024年10月15日(火)2026年W杯 アジア最終予選 C組 日本 1-1 オーストラリア @埼玉スタジアム2002> 【動画】久保建英が新コーチ・長谷部誠についてコメント「長谷部コーチだからこそできるアドバイスがもらえている」 選手層の質の高さと厚さが違いを生む。 サッカー日本代表が10月15日にホームで行われた2026年ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第4戦でオーストラリアと対戦。 途中出場したMF中村敬斗(スタッド・ランス)の活躍で同点に追いつき、1-1で引き分け、勝ち点1を加えてC組首位をキープした。 8大会連続出場を目指し、最終予選ここまで3戦全勝の日本だったが、最終予選序盤の不振からトニー・ポポヴィッチ新監督を迎えて巻き返しを図る相手に手を焼いた。 5-4-1のブロックを作って守備を固めるオーストラリアに、日本は左右のサイドから仕掛けながら得点には至らず、0-0で折り返した後半13分にオウンゴールでオーストラリアに先行を許した。 今年2月のアジアカップ準々決勝イラン戦以来の失点で、嫌な流れに傾きかけたが、日本は交代選手が個性を発揮。後半31分、途中出場の中村が左サイドをドリブルで突破。 ペナルティエリア深くまで入ると、「目が合った」(中村)というFW上田綺世(フェイノールと)が待つゴール前へ鋭く速いクロスを入れた。これが相手DFの足に当たってゴールに吸い込まれ、日本が同点に追いついた。 「こういう、かなり拮抗した試合でゴールに直結できたのはすごくうれしい」と中村。「出たときに結果やゴールにつながるようなプレーをして存在感を出してくしかないと思っていた。限られた時間の中で結果を出せてよかった」と笑顔を見せた。 日本はアジア2次予選ではメンバーを入れ替えながら戦っていたが、9月に始まった最終予選では森保一監督がメンバーをほぼ固定。初戦の中国戦で3バックを採用すると左ウィングバックにはMF三笘薫(ブライトン)が定着した。 この日のオーストラリア戦でも左の先発は三笘が務め、2-0で勝利したアウェイでのサウジアラビア戦からの変更は、体調不良のMF遠藤航(リバプール)に代わってMF田中碧(リーズ)がボランチに入り、前線2列目の右にMF久保建英(レアル・ソシエダ)が入ったのみ。 今予選で好調な久保とMF堂安律(フライブルク)の連係と三笘の左サイドの突破に期待がかかった。 しかし、6大会連続7度目の出場を目指すオーストラリアは守備を固め、久保と堂安の連係分断を狙ってプレッシャーをかけ、前半30分にはDFジョーダン・ボスが久保からボールを奪ってドリブルでペナルティボックスまで運ぶ場面を作った。 これはDF板倉滉(ボルシアMG)とDF谷口彰悟(シントトロイデン)がうまく対応し、そのほかの場面でも相手のシュートはFKからの1本に抑える守備を披露。 日本がボールを保持して攻め、三笘や上田、堂安らがゴールを狙ったが得点には至らなかった。 後半に入るとオーストラリアは前半よりも両ウィングバックが少し前の位置を獲り、攻めの姿勢を見せる。 すると、後半13分、日本のゴールキックをオーストラリアDFが頭で前線へ折り返してFWミッチェル・デュークへ。 日本はDF二人がハイボールを競り合ったが、背後に落とされてつながれ、右ウィングバックのDFルイス・ミラーがクロス。谷口がクリアを試みたが、ボールは日本ゴールに吸い込まれて先制点を献上した。 谷口は「決して集中してなかったわけではない。どうこじ開けていこうかという中でのオウンゴールで、試合を厳しくしてしまった」と悔やんだ。 だが、堂安は後半の序盤のプレーに触れて、「相手が慣れてきた感じはあったし、失点シーンの前の時間は、ちょっとフワっとしているなという感じもあった。(谷口)彰悟さんのオウンゴールではなくて、チームとして何もないクロスからやられた」と話した。 MF守田英正(スポルティング)も、「あの形を作られていること自体が問題だし、結局はセカンドを前向きに拾われてそこからの失点。攻撃でバランスが取れていないと、失ったあとにバランスが悪い中で守備をしないといけなくなる。守備と攻撃はセットなので、僕は攻撃の配置を見返す必要があると思う」と話した。 1点ビハインドとなった直後、日本のベンチが動いた。森保監督はMF伊東純也(スタッド・ランス)を投入。さらに後半25分に中村とMF鎌田大地(クリスタルパレス)を送り込むと、新しい組み合わせを試した。 左ウィングバックを務めていた三笘を一つ内側にシフトして、中村を左外でウィングバックに置く。 右ウィングバックに入った伊東とともに、両サイドにスピードとドリブルで切り込める3選手が並ぶ攻撃的布陣となったが、この組み合わせが、後半31分の同点ゴールにつながった。 右サイドのタッチライン際でボールをキープした伊東が中へつなぎ、鎌田から最終ラインを経由して左に流れた田中へ展開。 最後に左サイドで中村がパスを受けると、三笘が寄ってくる相手選手と中村の間に立ってブロック。スペースを得た中村はドリブルで抜け出てペナルティエリア左深くまで切り込み、「目が合った」という上田に鋭く低い弾道の強いクロスを送った。 これが相手DFの足に当たってオウンゴール。日本が1-1に追いついた。 中村はこの場面の三笘のプレーに、「二人で崩した。僕がフリーになるような動きをしてくれた」と感謝。 突破からの速いクロスについても「低いボールのクロスは意識していた。カウンターの場面で自分がトップスピードでクロスを入れるのは、フランスリーグでより身体能力の高い選手がほとんどという中でやっている」と言い、日ごろからフランスの高いレベルで揉まれている成果だと話した。 この試合の結果、日本は勝ち点1を加えて勝ち点10でC組首位をキープ。 1勝1分け1敗の勝ち点5で並びながら得失点差で2位から4位に位置するオーストラリア、サウジアラビア、バーレーン。 5位は、中国に敗れて初黒星で3分け1敗となったインドネシアで、中国が1勝3敗の6位となっている。 (取材・文:木ノ原句望)
テレ東スポーツ