スマホ運転、歩道の爆走…「悪質な自転車利用者」の取り締まりが強化! 青色切符による反則金の検討も
“青色切符”による反則金制度で取り締まりが厳しくなる
自転車利用者の交通ルール違反により、事故につながるケースが相次いでいることを受け、いよいよ警察庁が動き出し、反則金制度の導入を検討している。 「検討されているのは、車やバイクと同じいわゆる“青色切符”による反則金制度です。これまでは違反していても見過ごされてきましたが、今後はそうではなくなると思ったほうがいいでしょう。ただし反則金を払えば終わりではなく、自転車を利用する人が守ることができる、分かりやすいルールに改正することも同時に必要だと思っています」 取り締まりが強化されることで自転車に乗りづらくなるのではなく、みんなが快適かつ安全に乗りやすくなると考えてほしい、と小林さんは話す。 「歩道を走行するなどの違反の背景には『車道を走るのが怖い』という自転車利用者側の心理があります。また、車を運転するドライバーからは『車道を走る自転車が邪魔』という声も。 海外では自転車専用レーンや、自転車専用信号機などが整備されていますが、日本は遅れているのが現状です。こうした環境整備が整っていないこともあり、一概に自転車利用者だけが悪者とは言い難いのです。 自転車利用者が納得して従えるルールにすること、そのルールが歩行者や自転車利用者自身の安全に役立つものであることを啓発していかなければなりません。知らず知らずのうちに危険な走り方をしていることもあります。 交通ルールは自分を守るためのものであることをまずは再認識してほしいと思います。一人ひとりが気をつけることで、自転車も車も歩行者も快適に通行できる世の中になるでしょう」 自転車を活用することは、省エネや交通渋滞の緩和など、多くの利点がある。それだけでなく、筋力アップ、メタボ予防、血流改善、アンチエイジングなど、健康効果が期待でき、医療費削減にもつながる。ルールを守りながら自転車を暮らしに取り入れていくことが、社会にとっても個人にとっても大きなメリットとなるだろう。 小林 成基(こばやし・しげき) NPO法人「自転車活用推進研究会」理事長。自転車を有効かつ安全な交通手段として機能させるために、各省庁や自治体などと協力し自転車政策確立のための取り組みを行っている。「自転車活用推進議員連盟」と連携し、自転車関連諸法の改正などにも貢献。自転車が通行すべき部分を示した「自転車ナビマーク」の導入など、自転車が安全かつ快適に活用できるよう活動している。 取材・文:釼持陽子 編集・ライター。1983年、山形県生まれ。10年間、健康情報誌の編集部で月刊誌・Webメディアの編集に携わったのちフリーランスに。現在はヘルスケア・医療分野などを中心に、医師や専門家の取材、企画、執筆を行う。
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