スマホ運転、歩道の爆走…「悪質な自転車利用者」の取り締まりが強化! 青色切符による反則金の検討も
自転車安全利用五則(2022年11月1日制定) (1)車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先 (2)交差点では信号と一時停止を守って、安全確認 (3)夜間はライトを点灯 (4)飲酒運転は禁止 (5)ヘルメットを着用 意外と知られていないが、「自転車安全利用五則」に違反すれば罰則がある。 ・左側を通行 違反した場合…罰則:3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金 ・歩道は例外、歩行者を優先 違反した場合…罰則:2万円以下の罰金又は科料 ・一時停止 違反した場合…罰則:3ヵ月以下の懲役又は5万円以下の罰金 上記は罰則の一例だが、信号無視や無灯火なども当然罰則の対象だ。また、自転車運転時の携帯電話やイヤホンの使用も「禁止事項」とされ、罰則が決められている。 ・携帯電話使用運転 違反した場合…罰則:5万円以下の罰金 ・イヤホン等使用運転 違反した場合…罰則:5万円以下の罰金 ・傘差し運転 違反した場合…罰則:5万円以下の罰金 日本では大人になってから自転車の交通ルールを学ぶ機会は少なく、いまだに「自転車は歩道を走る」と勘違いしている人が多い。 「自転車は、昔から車道走行と決まっていたのですが、’70年代に車の利用が一般化して、『車道を走らせるのは危ないから自転車の歩道通行を認めよう』となったんです。そのため日本では“自転車は歩行者の仲間”という認識になってしまった。 その後、歩道通行が歩行者にはもちろん、実は自転車利用者にとっても危険な行為であることが統計で明らかになり、政府は『自転車=車両』、『車道が原則』を徹底することとしました。しかし、50年以上も歩道通行が当たり前に行われてきたために、歩行者感覚がなかなか抜けないのです」 車やバイクを運転するときは標識や信号を守るのに、自転車は車両という感覚がないために交通ルールを軽視されているのが現状だ。ルール違反の自覚がない人も多い。ここまで違反者が増え続けた背景には、長年にわたり警察の取り締まりがされてこなかったという事実がある。 「自転車の違反は、法律はあるものの厳密に適用すると世の中が犯罪者だらけになってしまう懸念があります。また、些細な違反でも処分を決定する手続きに時間がかかる制度になっていて、積極的に取り締まりがされてきませんでした。 例えば無灯火は『5万円以下の罰金』という罰則がありますが、5万円なのか3万円なのか、いくらになるかは裁判で決めないといけない。 日本は先進国の中で国民1人あたりの警察官の数が500人に1人と極端に少なく、自転車の違反を1件1件取り締まり裁判にかけるというのは現実的に無理があったため、やむなく見過ごしてきたことも現在の違反者の増加につながっています」