雨の日の革ジャンはNGはウソ!ドライヤーで乾かすのはアリ? ショット公式に聞く革ジャン“新常識”
縮み、ひび割れ、シミより避けたいのはカビ!
山崎さんは、革が雨に濡れるよりも避けるべきことがあるという。それはクローゼットにしまい込むことだ。 「ことあるごとに革ジャンにカバーをかけてクローゼットにしまう人がいますが、カビが生えるのでやめてください。 高い買い物なので大事に着たい気持ちはわかります。ですが雨に濡れて湿った状態や、ケア直後の状態で湿気の多いクローゼットにカバーをかけて長時間保管しておくと、とてもカビが生えやすい状態になります。革モノで最も深刻なアクシデントはカビなんです」。
カビの発生を防ぐにはどんな対処法があるのか。山崎さんは、余計なケアをしない方がいいと語る。 「カバーをかけずに、風通しがよく湿気が溜まらないところに保管しておくのがいいでしょう。部屋の中でラックに掛けて保管するのがベストです。そしていちばん望ましいのは“よく着ること”。定期的に着れば湿気が溜まりませんし、革の硬化防止にもつながりますよ」。
牛革以外のケアは、革の特性に倣った方法で
ステアハイドとカウハイド以外にも、ホースやシープ、ラム、ゴートなどレザーの種類は多岐にわたる。柔らかさや厚みも違うため、やはりケア方法も変える必要があるのだろうか?
「ホースやゴートの革ジャンの基本的なケア方法は、牛革と同じ。 ただしラムやシープなど羊の革には少し注意が必要です。レザークリーナーにはラベルに『ラムレザーには使用不可』と書かれているものも多くあります」。
ラムやシープは非常に柔らかくて薄い。ゆえに体に馴染みやすく着心地はいいが、なめし方によってはレザークリーナーを使うとシミになる場合もあるという。 「柔らかいので傷ができやすいのも事実。ブラシは柔らかい毛のものが好ましく、ケアはブラッシングして保湿クリームを塗り、最後に防水スプレーを吹き付けるという流れで行います。ただ僕も今日ラムレザーを着ていますが、ラフに扱っていても劣化はしていません」。
そこでもうひとつ気になるのが、スエードのような起毛系のレザーである。こちらは柔軟でさほど手がかからないイメージが強いが、どうケアすれば良いのか。