『a flood of circle』佐々木亮介、「悪あがきしたかった」 1年半ぶりアルバム発売、26年中の武道館を目標
4人組バンド「a flood of circle」が1年半ぶり13枚目のアルバム「WILD BUNNY BLUES/野うさぎのブルース」を発売した。全11曲のうち、5曲を山ごもりして制作。ボーカルの佐々木亮介(38)は「悪あがきしたかった。面白がってくれたら最高」と振り返った。 2009年の初アルバム発売から15周年を記念し、昨年8月に10年ぶりの東京・日比谷野外大音楽堂公演を完売させた。ロック界の中堅どころとして順風満帆に思えたが昨年、ドラムの渡邊一丘(38)から「あと3年やって、同じ調子だったらもう辞めたい」と打ち明けられた。「昔のとがった人たちから見たら俺たちの音楽はぬるい。でも若い人たちにはロックは古い。中ぶらりんなんです」 そこで「王道じゃないけど『この生き方ありでしょ』という曲を出すことに意味がある」と意識し、本作ではより等身大の思いを歌詞に込めた。「中途半端かな?と思っていることも歌にしちゃった。全部出していくことにギリギリの面白さを感じてほしい」と意識し、「百方塞がり」「歌詞 書けない」などと歌った。 また福島県の山小屋にこもって音楽に向き合い、5曲をレコーディング。デジタル音楽がもてはやされる今だからこそ、「成長を拒否するスタイルをやりたい。若者に擦り寄るより老害の方が格好いい」とナマの音にこだわった。 さらに渡邊の発言に危機感を抱き、26年中の武道館公演を目標に掲げた。「分かりやすい目印が欲しかった。バンドもまとまってくるし、メンバーの目もキラキラしている」と手応えを実感しつつ、「そこで解散とかじゃなく、続けていくための武道館。この年代だけにある輝きを信じたい」と意気込んでいる。
中日スポーツ